2017年09月14日

小児のインフルエンザ・ガイドライン;AAPより

小児のインフルエンザ・ガイドライン;AAPより

Recommendations for Prevention and Control of
Influenza in Children, 2017–2018



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 アメリカの雑誌Pediatricsより、今シーズンのガイドラインが発表になりました。


纏めてみますと

1) インフ・ワクチンの接種は、例年50~75%外来受診者数の減少に繋がっている。

2) 小児でワクチンを2回接種するところを1回しか接種しないと、インフBに対して不十分である。

3) 妊娠している女性は、いつでもインフ・ワクチンを接種できる。
   不活化ワクチンは胎児にも悪影響はなく結果は良好である。しかしこのデータは主に妊娠初期の
   もので、妊娠中期と後期に関しては、流産や早産の予防効果には異なった結果報告がなされて
   いる。 
   (悪影響があると言う意味ではなく、ワクチンをしても流産と早産の率は同じと言う事のようです。
   妊娠中期以降の妊婦の方には事前説明が必要だと思います。)
   しかしUPTODATEの論文集を調べてみますと、やはり接種した方が利点があると指摘しています。
   (下記のPDFを参照ください。)
   更に、妊婦がインフ・ワクチンを接種する事により、抗体が胎盤を通過して胎児にも有効となる。
   しかも効果は6カ月続くので、結果、新生児のインフのリスクを70%減少させ、生後6カ月間のインフ
   による入院率を81%減少させる。

4) 小児の1回目と2回目の接種間隔は4週間あける事が理想である。
   また、出来れば2回目の接種は10月末までには終了しておきたい。

5) ワクチン接種を遅くした方が良いと言うエビデンスは無い。
   入手したら速やかに接種する事の方が利点が多い。
   尚、ワクチンの効果は1か月間に6~10%減少するとの報告もある。
   またワクチンによる抗体は、5〜6カ月間存在するとの論文もある。

6) 今シーズンもインフ治療薬に対する耐性ウイルスの心配は、現段階ではないようだ。

7) 3価と4価での優越は無い。 (日本では基本的に4価のみです。)

8) 肺炎球菌ワクチンとの同時接種では、若干の熱性痙攣の増加が報告されている。
   (以前のブログでも述べましたが、本院では基本的にインフ・ワクチンは単独としています。)

9) 卵アレルギーの人に対する対応は必要でないようです。
   ただし、アナフィラキシー反応の既往のある人や、アレルギー反応の強い人は十分に注意が必要。
   (本院では卵アレルギーの人には従来通りの方法とさせていただきます。)

10) 妊娠後期にインフ・ワクチンを接種すると、母乳からインフ・IgA抗体が移行して新生児のインフ
    に対する予防効果は6カ月続く。

11) インフ・ワクチンの接種ができない場合は、高熱、以前にインフ・ワクチンでアレルギー反応が
    あった人、ギランバレー罹患4週間以内。
    (軽度の発熱で元気ならば接種可能。またインフ・ワクチンでのギランバレーは、殆ど生じて
    いない。)

12) インフ治療薬のガイドラインは昨年と同様である。
    経静脈治療薬は、アメリカでは昨年特別処置として許可されていたが、本年は未定。
    (論者は経静脈治療薬は、経口摂取が出来ない場合や重症例に限定すべきとしています。)

13) インフ治療薬は48時間以内に投与した方が有効であるが、重症例や入院例ではそれ以降でも
    投与した方が利点が多い事が証明されている。

14) 新生児の投与はCDCでは生後2週以降としているが、AAP(アメリカ小児学会)は、未熟児でも
    出産直後での投与は、リスクより利点の方が多いとして許可している。

15) タミフルの副作用は主に嘔吐であるが、1〜12歳で15%の出現 (コントロールでは9%の出現)
    日本では若い人でタミフルにより神経精神的な副作用が報告されているが、その後の研究では
    証明されていない。

16) 下記のPDFで掲載しますが、インフの迅速診断は感受性がマチマチです。
    よって陰性と言ってもインフを否定できません。症状を優先すべきとしています。





私見)
 表はPDFで掲載します。



Children, 2017–2018.pdf


インフAAPガイドライン.pdf


Medline レジスタードマーク Abstracts for References 32,35-39 of 'Influenza and pregnancy' (2).pdf










posted by 斎賀一 at 15:18| Comment(0) | インフルエンザ