2017年09月16日

遅い夕食は体重増加に繋がる

遅い夕食は体重増加に繋がる

Later circadian timing of food intake is
associate with increased body fat



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 夕食が遅いと、特に寝る前の食事はカロリーが蓄えられてしまい体重の増加になると言われていますが、それは何となく理解できます。
しかし、学術的にこの関係を証明した論文はあまりないとの事です。

 今回の論文は学生110人を対象に、最初の7日間は従来の日常生活で、その後30日間は寝る前に食事を摂って調べています。
結論的には、食事の種類や量に関係なく、メラトニン(人間が睡眠行動に入る時に上昇するホルモン)が高値な程、体脂肪が増加していました。




私見)
 メラトニンと体脂肪との関係は興味があります。
 もしも、この関係にフィードバックがかかりメラトニンの低下が生じて、それが不眠に関与しないか心配
 です。



Later circadian timing of food intake is associated with increased body fat.pdf









2017年09月14日

小児のインフルエンザ・ガイドライン;AAPより

小児のインフルエンザ・ガイドライン;AAPより

Recommendations for Prevention and Control of
Influenza in Children, 2017–2018



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 アメリカの雑誌Pediatricsより、今シーズンのガイドラインが発表になりました。


纏めてみますと

1) インフ・ワクチンの接種は、例年50~75%外来受診者数の減少に繋がっている。

2) 小児でワクチンを2回接種するところを1回しか接種しないと、インフBに対して不十分である。

3) 妊娠している女性は、いつでもインフ・ワクチンを接種できる。
   不活化ワクチンは胎児にも悪影響はなく結果は良好である。しかしこのデータは主に妊娠初期の
   もので、妊娠中期と後期に関しては、流産や早産の予防効果には異なった結果報告がなされて
   いる。 
   (悪影響があると言う意味ではなく、ワクチンをしても流産と早産の率は同じと言う事のようです。
   妊娠中期以降の妊婦の方には事前説明が必要だと思います。)
   しかしUPTODATEの論文集を調べてみますと、やはり接種した方が利点があると指摘しています。
   (下記のPDFを参照ください。)
   更に、妊婦がインフ・ワクチンを接種する事により、抗体が胎盤を通過して胎児にも有効となる。
   しかも効果は6カ月続くので、結果、新生児のインフのリスクを70%減少させ、生後6カ月間のインフ
   による入院率を81%減少させる。

4) 小児の1回目と2回目の接種間隔は4週間あける事が理想である。
   また、出来れば2回目の接種は10月末までには終了しておきたい。

5) ワクチン接種を遅くした方が良いと言うエビデンスは無い。
   入手したら速やかに接種する事の方が利点が多い。
   尚、ワクチンの効果は1か月間に6~10%減少するとの報告もある。
   またワクチンによる抗体は、5〜6カ月間存在するとの論文もある。

6) 今シーズンもインフ治療薬に対する耐性ウイルスの心配は、現段階ではないようだ。

7) 3価と4価での優越は無い。 (日本では基本的に4価のみです。)

8) 肺炎球菌ワクチンとの同時接種では、若干の熱性痙攣の増加が報告されている。
   (以前のブログでも述べましたが、本院では基本的にインフ・ワクチンは単独としています。)

9) 卵アレルギーの人に対する対応は必要でないようです。
   ただし、アナフィラキシー反応の既往のある人や、アレルギー反応の強い人は十分に注意が必要。
   (本院では卵アレルギーの人には従来通りの方法とさせていただきます。)

10) 妊娠後期にインフ・ワクチンを接種すると、母乳からインフ・IgA抗体が移行して新生児のインフ
    に対する予防効果は6カ月続く。

11) インフ・ワクチンの接種ができない場合は、高熱、以前にインフ・ワクチンでアレルギー反応が
    あった人、ギランバレー罹患4週間以内。
    (軽度の発熱で元気ならば接種可能。またインフ・ワクチンでのギランバレーは、殆ど生じて
    いない。)

12) インフ治療薬のガイドラインは昨年と同様である。
    経静脈治療薬は、アメリカでは昨年特別処置として許可されていたが、本年は未定。
    (論者は経静脈治療薬は、経口摂取が出来ない場合や重症例に限定すべきとしています。)

13) インフ治療薬は48時間以内に投与した方が有効であるが、重症例や入院例ではそれ以降でも
    投与した方が利点が多い事が証明されている。

14) 新生児の投与はCDCでは生後2週以降としているが、AAP(アメリカ小児学会)は、未熟児でも
    出産直後での投与は、リスクより利点の方が多いとして許可している。

15) タミフルの副作用は主に嘔吐であるが、1〜12歳で15%の出現 (コントロールでは9%の出現)
    日本では若い人でタミフルにより神経精神的な副作用が報告されているが、その後の研究では
    証明されていない。

16) 下記のPDFで掲載しますが、インフの迅速診断は感受性がマチマチです。
    よって陰性と言ってもインフを否定できません。症状を優先すべきとしています。





私見)
 表はPDFで掲載します。



Children, 2017–2018.pdf


インフAAPガイドライン.pdf


Medline レジスタードマーク Abstracts for References 32,35-39 of 'Influenza and pregnancy' (2).pdf










posted by 斎賀一 at 15:18| Comment(0) | インフルエンザ

2017年09月12日

乳児ボツリヌス中毒:離乳食との関係で

乳児ボツリヌス中毒:離乳食との関係で



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 最近、お母さんからの質問を受けました。
ある医院の患者用のパンフレットに 「1才未満の乳幼児には蜂蜜を与えないように!更に果物や野菜にも時にボツリヌスが居るので調理には注意」 との内容で心配になってしまったとの事です。
産経新聞の記事が発端のようです。 (下記PDF)
 蜂蜜に関しては、最近残念ながら死亡例が報告されて厚労省からも警告が出ております。 (以前の私のブログをご照ください。)



今回依頼の果物と野菜に関して調べてみました。

ネルソンの小児科学より
 乳児ボツリヌス中毒は、生後3週間から6カ月が95%である。
 殆どが蜂蜜関連である。
 症状は軽症から死亡例まである。
 リスク因子としては、蜂蜜、腸内通過時間遅延、母乳でない場合 (母乳は重症化を予防する。)

UPTODATEより
 乳児ボツリヌス中毒は殆どが蜂蜜関連であるが、最近では教育が徹底され発生は少なく、現在では
 土壌からの粒子を吸い込むことで起こるとの報告がある。
 (アメリカのペンシルベニヤ、カリフォルニア : 日本では?)
 食物中毒としては自宅での缶、密閉容器、不完全な(穴の開いた)缶製品、アラスカでの保存食等で
 報告がある。



次に離乳食関係で調べてみました。

UPTODATEより
 1歳までは避ける食品 : 液体を含む食品、牛乳 (鉄分が不足する)、蜂蜜
 アレルギーを起こす食品には注意 (この点は最近の研究から私のブログをご参照ください。)
 1歳までは牛乳は避けるがチーズやヨーグルトは与える事が可能
 8か月までに裏ごしした野菜や果物は、スプーン半量より単品で与えてアレルギー反応をチェクする。
 しかし基本的には、量よりは形状や固さが重要である。
 缶詰や密封製品は、開けたら2日以内に賞味して、その後は破棄する。
 缶から直接取り出さないで、ボールにあけて与える。
 スナック菓子は与えない。
 フルーツジュースは1歳までは与えない。
 下記のPDFに表を掲載します。





私見)
 結論的には野菜や果物に関しては、ボツリヌス中毒の心配よりは離乳食として注意が必要のようです。離乳食関連の文献は、雑誌小児科より拝借しましたのでご参照ください。
 (版権に関しては申し訳ないと思いますが、世のお母さんのためご容赦下さい。)
 また、「裏ごし」の業も必要ですがその際の衛生管理が大事との事で、ネット情報を同時に掲載しました。
 尚、果物に関する口腔アレルギーは花粉との関連があると言われていますが、私の経験では重症例は余りなく、場合によりスクラッチテストを行っていますのでご相談ください。
 (6カ月より少量より与えてみてください。)

 自分の子のオムツを取り換えた事のない人間が育児について説教じみた事は言えませんが、世の中のお母さん達にエールを送りたいと思います。
 (しかし簡単に警告を出して、患者さんや家族を不安に陥れる情報提供は、改めて自戒を含めて避けたいものだと思います。)





離乳食.pdf


離乳食の進め方.pdf


離乳食で食中毒にならない為のアドバイス!大切な赤ちゃんの為に.pdf


産経新聞.pdf











posted by 斎賀一 at 20:53| Comment(1) | 小児科