2017年09月21日

褐色細胞腫の診断法

褐色細胞腫の診断法
             <業務連絡用>




 2次性高血圧症の中でも褐色細胞腫の発生頻度は低いと思いますが、若い人で頭痛を伴う高血圧症の場合は、一応鑑別する必要があると考えています。

 以前は1日蓄尿でVMAを測定していましたが、VMAがコーヒーやバニラ等の影響を受けるとされており、最近ではメタネフリン2分画(MとNM)を測定します。
ガイドラインに添って、最初は随時尿での尿中メタネフリン2分画と尿中クレアチニン比を検査します。
かなり疑いがあり正確さを求める場合は、1日蓄尿でのメタネフリン2分画を行う予定です。
   (下記のPDFを参照)

 UPTODATEでは1日蓄尿がゴールドスタンダードとしています。
随時尿での異常値は、尿中メタネフリン2分画μg/尿中クレアチニンmg比で、M値かNM値の何れかが0.5以上の場合、又はM値とNM値の和が1.0以上とします。
尚、全日の蓄尿での注意は一滴も漏らさずに採尿することです。
ポリ容器は使い捨てとして下さい。

 下記のPDFでの学習をお願いします。



褐色細胞腫 .pdf

褐色細胞腫アラカルト.pdf








posted by 斎賀一 at 12:54| Comment(0) | 循環器

2017年09月19日

成人における重症、治療抵抗性の喘息について

成人における重症、治療抵抗性の喘息について

 Severe and Difficult-to-Treat Asthma in Adults
                   N Engl J Med 2017;377:965-76


0919.PNG ← これは僕




 小児の喘息はアレルギー性で80%が治癒しますが、成人の場合は感染性で逆に20%しか治癒しないと言われています。滲出する炎症細胞もアレルギーでは好酸球で、炎症が誘因の場合は好中球が一般的とされています。

 今回、NEJMより成人における重症例や、ステロイドなどの一般的な治療に抵抗性の(difficult)喘息に対する概念と治療方針とが載っていましたので、纏めてみました。


1) 治療抵抗性とは、高濃度のステロイド吸入や他の治療を行ってもコントロールが困難の症例で、
   更なる治療方針の検討の必要性がある場合をいいます。
   重症とはその概念の一部を指し、前年の約半分がコントロール困難な症例としています。
   アメリカでは喘息の中で3~10%がそのような状態で、糖尿病や脳卒中の医療費を凌駕しているとの
   事です。

2) 治療抵抗性とされている中で、50~80%が薬をきちんと服用していないか、あるいは吸入の仕方の
   不具合が指摘されています。

3) 生物学的製剤を使用する前に、持続性抗コリン作動薬(シーブリ、スピリーバ吸入)を用いるべきだ。
   また経口ステロイドは出来れば避けたい。

4) 病態としては下記の概念がある。  (下記のPDFの図を参照)

  a) 持続性タイプー2炎症  (type 2 helper T (Th2) cellsの関与)
    type 2 helper T (Th2) cells とそれに誘導された自然免疫機構が関与して、その関係の
    サイトカインが作動している。  
    軽症喘息では吸入ステロイドにより気道への好酸球浸潤は抑制されるが、重症例では痰の好酸球
    は吸入ステロイドを行っても依然として多く認められる。この事が重症例、つまりステロイド抵抗性
    を示唆する。
    アトピーとは関係あるが、他のアレルギー性疾患とは関連性が乏しく多くが成人発症例であり、
    気道過敏が関与している。  婦人の肥満も関連視されている。

  b) 好中球関連炎症
    喀痰に好中球が多く存在する。 (ステロイド吸入との関係もあるかもしれない。)
    副鼻腔炎、職業、タバコが指摘されている。
    軽症〜中等度の場合は好酸球がなく、好中球が主体ではステロイド吸入の反応は迅速ではない。
    しかし重症例に関しては不明。
    抗生剤のマクロライドの使用が検討されているが、未だはっきりしたエビデンスはない。

  c) 混合タイプ
    喀痰に好中球と好酸球が存在する。
    気道の狭窄などの困難な病態が存在する。

  d) その他
    喀痰に炎症性細胞が少ない場合や、気道のリモデリング(構造変化)の場合もある。

5) 治療
   下記のPDFの表をご参照ください。
   生物学的製剤がほぼ40%の効果のようです。
   しかし論者はしっかりした病態を把握して(タイプー2かそうでないか)患者選択をすべきとして
   います。





私見)
 治療抵抗性と考える前に、患者さんの服用の仕方のチェックが大事なようです。
 生物学的製剤は高価な点もあり、本院では経験がなく今後の検討課題とします。(NEJMでも効果あり
 との論文が掲載されています。)




重症喘息.pdf






posted by 斎賀一 at 20:45| Comment(0) | 喘息・呼吸器・アレルギー

2017年09月16日

アレルギー検査の限界

アレルギー検査の限界
                  <ツイッター版>



 よく患者さんにアレルギーの血液検査をしてほしいと依頼されますが、その限界を説明しています。
しかしなかなか理解してもらえない事があります。
今回雑誌medical practice(2017年9月号)のワンポイントアドバイスに、福冨友馬氏の見解が載っていましたので参考にして下さい。
 またアメリカの学会AAAAからも、すべからず集がありますので同時に掲載します。

(其処には的確な臨床症状に基づかない、なんでもかんでものアレルギー検査をしてはいけない。とトップに記載しています。なんだか、なんでも自分のせいにしてしまう気弱な自分を見ているようです...?
いつかは「いちいちうるせ〜な」が口癖のあの先生の様になりたいな〜)




One Point Advice.pdf


10Things_AAAAI-feb2014.pdf









posted by 斎賀一 at 16:21| Comment(1) | 喘息・呼吸器・アレルギー