2017年09月25日

食物アレルギーについて

食物アレルギーについて
 
Food Allergy
 
n engl j med 377;12 nejm.org September 21, 2017


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 NEJMより症例提示の総説が載っておりましたので纏めてみました。

1) 症例はピーナッツアレルギーの既往のある18歳の学生で、喘息はありましたがコントロールされて
   おりました。スポーツゲームをした後のパーティで、家庭で作られたクッキーを食べました。
   その後10分ほどで咳発作、呼吸困難、クシャミが出現し、抗ヒスタミン剤を服用しましたが軽快せず
   エピペンを大腿部に自己注射し、その後15分で症状は軽快しています。

2) アメリカでは、食物アレルギーは成人で1%、小児で4%の発生頻度です。

3) ミルクと卵アレルギーは、学童になるまでに殆ど自然治癒(out-grown)しますが、他の食物
   アレルギーは20%以下しかout-grownしません。

4) ピーナッツアレルギーはアメリカでは1%の発生頻度ですが、重症なアナフィラキシー(全身症状)を
   起こすことで問題視されています。

5) 運動、ウイルス感染症、生理、ストレス、アルコール飲酒が症状増悪の危険因子に挙げられて
   います。

6) 食物アレルギーの当該食物摂取後、症状は5〜60分後に出現します。

7) 湿疹、クシャミが主な症状ですが、20%がそれらの症状を伴わずにいきなり全身症状の咳発作、
   喘鳴、喉頭浮腫、嘔吐、下痢、血圧低下などのアナフィラキシーが出現します。
   よってこれらの症状の急な出現は、食物アレルギーの鑑別も必要となります。

8) 食物アレルギーの検査はIgE血液検査とピクリックテスト(スクラッチテスト)がありますが、何れも
   感度は90%ですが特異度は50%です。

9) 多くの食物アレルギーはout-grownしますので、チャレンジテストを行い余分な食物制限などしない
   方が賢明です。

10) 食物アレルギーの予防として、乳幼児より早期の摂取が予防免疫を誘発して効果的とされ始めて
   います。
   特にピーナッツアレルギーに関しては、11カ月までにピーナッツを摂取していると、5歳までに
   ピーナッツアレルギーの頻度は1.9%に対して、全く与えないと13.7%の頻度になります。
   よって最近のガイドラインでは4~6カ月にピーナッツを与えるようにとの勧告です。

11) エピペンは半減期が短い(効果が分単位と短い)ので第二回目の注射が必要な場合がある。
   10~15%が4~24時間後に再発するので、救急外来では4~6時間おきの経過観察が大事である。
   食物アレルギーの第一選択枝はエピペン。
   抗ヒスタミン薬、気管支拡張薬の吸入、ステロイドは症状を軽快するかもしれないが、アナフィラ
   キシーの治療には全く無効。
   (抗ヒスタミン薬を先ず服用するのは良いかもしれませんが、必ずエピペンの準備をしておくことが
    大事なようです。)

12)(予防治療は省略いたしますが、本院では 「食べて治す食物アレルギー」 に則って行っています。
   参考になる点がありましたので記載します。)
   継続的に少量より摂取していくが、ウイルス感染時や生理中は減量する必要がある。

13) 今後の課題としては
   更に診断法の精度の向上、エピペンに関しては投与量、針の長さ、二回目の注射のガイドライン、
   注射以外の投与方法も課題である。
   また、食品の成分表示に関する統一した施策も検討する必要がある。




私見)
 食物アレルギーは増加しています。種々の原因が想定されています。
 保護者にとっては育児の時期での二重の心配です。
 過剰な心配は却ってマイナスとなります。十分な戦力を練って、着実に少しずつ進めていく事が大事だと   思っています。
  (孫のために卵フリーのグリコ・プリンを求めて、閉店間近のスーパーに買いに行ったことを思い出し
 ます。そんな孫も、最近は忙しいようで遊びにも来ません。)











posted by 斎賀一 at 20:13| Comment(1) | 喘息・呼吸器・アレルギー

インフルエンザの流行の兆し

インフルエンザの流行の兆し


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 厚労省よりインフルエンザの報道機関への報告が本年も始まりました。
本院もインフルエンザ・ワクチンの予約を開始します。
本年の流行のウイルス型は、予測では香港型のようですがはっきりしません。
香港型はワクチンがマッチングしない事もありますが、H1N1では乳幼児と高齢者は重症化も心配されております。
私のブログでも紹介いたしましたが、早めの接種をお勧めします。




本年のインフ.pdf


インフ発生状況.pdf









posted by 斎賀一 at 19:13| Comment(1) | インフルエンザ

2017年09月22日

ランニングが片頭痛に有効

ランニングが片頭痛に有効

      
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 カナダのバンクーバの学会で、エクササイズ(ランニング)が片頭痛の頻度を減少させるとの報告があったようです。
詳細はmedscapeに載っていましたので紹介いたします。
 片頭痛のある人を其々8名ずつ3群に分けて調査しました。

○ 軽めの有酸素運動(ランニング)を45分間、1週間に2回行うMCT群
○ 4分間の軽めのランニング後に3分間の強めのランニングを行い、続けてそれを4セット合計28分を
  1週間に2回行うHIT群
○ 全然エクササイズを行わないコントロール群の以上3群です。

20人が女性で4人が男性、平均年齢は36歳
結果は下記の表です。




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HIT群は、片頭痛がほぼ月に5回から1回に減少しています。





私見)
 血管の拡張が影響していると推測しています。
 週2回のやや強めのランニングが有効のようです。




High-Intensity Training Bests Moderate Exercise for Migraine.pdf













posted by 斎賀一 at 19:56| Comment(1) | 脳・神経・精神・睡眠障害