2017年08月26日

持効型インスリン注射薬のトレシーバとランタスの比較・特に心血管疾患との関係

持効型インスリン注射薬のトレシーバとランタスの比較
                特に心血管疾患との関係
 
Efficacy and Safety of Degludec versus Glargine in Type 2 Diabetes
 
        

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 糖尿病治療に関して、現在ではインスリンの早期での導入も視野に入れられています。
しかし、インスリン導入により体重増加や低血糖も生じ、この事が心血管疾患に関連しないかどうか懸念されています。
現にACCORD試験では、インスリンの導入により心血管疾患の増加も認められ、積極的なインスリン治療の方が予後は悪いとする結果報告になっています。この事は実地医家にとって足かせになっている感もします。

 しかし、2012年に発表されたORIGIN 研究では早期の糖尿病患者にランタスを導入しても、懸念された心血管疾患の増加はありませんでした。
  (下記のPDFのグラフを参照ください。)
今回のNEJMの論文のDEVOTE研究はトレシーバとランタスを比較する事により、トレシーバが心血管疾患に悪影響を及ぼすかを調べています。


纏めますと

1) トレシーバを投与する群(3,818 例)とランタスを投与する群(3,819 例)に無作為に割り付け
   平均2年間の観察です。

2) ベースラインでは、平均年齢 65.0 歳、平均糖尿病罹病期間  16.4 年、平均糖化ヘモグロビン値
   8.4±1.7%であり、患者の 83.9%がインスリン投与を受けていました。

3) 長時間作用型の両インスリン(持効型)は、それぞれ夕食から就寝までの間に、1日1回注射して  
   います。注射の量は漸増していますが、下記のPDFを参照ください。

4) 結論的には2 型糖尿病で心血管イベントリスクの高い患者において、トレシーバは主要心血管イベン
   トの発生率に関してランタスに対する非劣性を示しました。(悪くは無い。)
   つまりトレシーバも心血管疾患に悪影響はありません。(下記のPDFのグラフを参照ください。)




私見)
 トレシーバもランタスも心血管疾患を増加はさせないようですが、ランタスの方が低血糖の頻度は多い
 ようです。40人に対して1人がトレシーバに有利な計算になるようです。
  尚、私のブログの 2017.07.07 もご参照ください。



DEVOTE研究.pdf

ORIGIN研究.pdf








posted by 斎賀一 at 15:05| Comment(1) | 糖尿病