2017年08月12日

肺炎球菌ワクチン導入後の急性中耳炎の変化

肺炎球菌ワクチン導入後の急性中耳炎の変化

Epidemiology of Acute Otitis Media in the Postpneumococcal Conjugate Vaccine Era



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 肺炎球菌ワクチンの導入後に急性中耳炎は減少しているようです。
それでもアメリカでは年間で500万人の患児が急性中耳炎に罹患し、1,000万回の抗生剤処方、
3,000万回の受診をしているとの事です。(患児一人当たり年間で、2回の抗生剤処方と6回の受診と
なります。)
今回の論文では急性中耳炎で耳漏、又は鼓膜穿刺で病原菌が判明した615名を対象に調査しています。


纏めますと、

 1) 2006〜2016年間の生後6カ月から36か月(3歳)の基礎疾患が無く、急性中耳炎に罹患し、
    病原菌を特定できた乳幼児、615人を対象に調査しました。

 2) 最初に発病した月齢を特定できた231人を見てみますと、1歳までが一番多い傾向です。
    更に月齢が低い乳幼児では、その後繰り返す傾向でした。


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 3) リスク因子はワクチン導入前後で大きく変化はありませんでしたが、
    原因菌には変化を認めています。


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        Spnが肺炎球菌、Hfluがインフルエンザ菌、Mcatがモラキセラ菌
       (従来の抗生剤の効果も減少している事がこの事からも分かります。
        特にペニシリン系が効きにくい菌が多くなっています。)

  
 4) リスク因子として考察しています。


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       男児
         男児の方がリスクは多い傾向ですが、免疫機能に関係するとしています。
       母乳
         免疫が関与して、母乳栄養が予防に効果があるとする論文が多い様ですが、
         今回の研究でははっきりしていません。
       家族歴 
         遺伝子レベルで現在解明されているようです。
       集団保育
         当然、保育所では急性中耳炎の原因菌に暴露されやすい事になります。
       その他
         受動喫煙、アトピーに関しては他の研究ではリスクとされていますが、
        今回の論文では明白ではありませんでした。



私見)
 ワクチンの導入により、更に新たな問題も発生している感があります。
 ガイドラインでは、急性中耳炎の殆どは経過観察で良いとしています。
 逆に難治性の中耳炎は、従来の抗生剤が効きにくい傾向が浮かび上がりました。
 どのような中耳炎が治療の適応なのかの峻別も重要ですし、急性中耳炎に抗生剤を使用する際には、
 使用薬剤、及びその服用期間に充分な配慮が必要の様です。



Epidemiology of Acute Otitis.pdf














posted by 斎賀一 at 16:01| Comment(3) | 小児科