2017年07月01日

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群

n engl j med 376;26 nejm.org June 29, 2017
 


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 NEJMに総説が載っていました。
私の概念を覆す内容が多々ありましたので、理解が不十分な点を顧みずまとめてみました。それにしても
アメリカ医療の疾患に対する真摯な態度には敬服します。


 1) 色々なエビデンスで精神的要素よりも身体的な疾患概念が進んできた。

 2) 症状は腹部膨満が主体であるが、慢性の経過をとり、少なくとも1週間に1回の症状出現が1か月
    続き、6か月の経過を有する。

 3) 4タイプがある。
    下痢型、便秘型、混合型、不全型

 4) 一般的に実地医家は本疾患を色々な重大な器質的疾患(例えば、大腸癌、潰瘍性大腸炎などの
    炎症性疾患)を否定した後に辿り着くような疾患と考えているが、その様な消極的な診断方法で
    なく、積極的に診断できる疾患である。

 5) 下痢型や混合型の466例を大腸ファイバーで検査した結果では癌は一例もなく、炎症性疾患
    (IBD)は2%以下であった。
    この事から過敏性腸症候群を最初より積極的に診断するツールの方が、費用対効果の点からも
    優れている。

 6) 色々な生化学的検査も有効の様ですが、日本では保険適用になっていませんので、省略いたし
    ます。

 7) 症候群であり、色々な疾患が複合的に含まれている可能性がある。

 8) 脳神経から腸の関連が一般的に言われているが、半数以上は逆に腸から脳神経に影響する事が
    判明してきた。

 9) 感染性腸疾患の20%近くがその後の経過で過敏性腸症候群を併発する。
    T細胞が関与しているようだ。

 10) セロトニンやtumor-necrosis-factorαなどのサイトカインも関与しており、これらが倦怠感
     などの症状と関連するかもしれない。

 11) 遺伝子学的の病変として腸管のイオンチャンネルの異常も指摘されている。

 12) 従来の治療では患者は満足していない。
     新しい治療方針が出ており患者の層別化が必要の時代になった。

 13) その他、キャンピロバクター感染症(本院でも多い食中毒の一つ)や、
     腸管スピロヘータ(性感染症のスピロヘータとは無関係です。)との関係も記載されており、
     私的には興味がありました。




私見)
 治療に関してはグラフをPDFにて掲載いたします。
 未だ日本で発売していないのもあり、今後に期待したいものです。
 尚、食事療法のFODMAPに関しては良いネットがありましたので同時に掲載いたします。


        
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治療.pdf

FODMAP.pdf












posted by 斎賀一 at 15:57| Comment(0) | 消化器・PPI