2017年06月29日

脳卒中発症後の体位について

脳卒中発症後の体位について

          Cluster-Randomized, Crossover Trial of Head Positioning in Acute Stroke
          n engl j med 376;25 nejm.org June 22, 2017



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 急性脳卒中で入院中の体位に関して仰向けか、やや頭を高くした(30度)座位の場合とでどちらが良いかの比較検討をした論文がNEJMに載っていました。

急性期脳卒中患者 11,093 例を仰臥位で治療を行う群と、頭部を 30°以上挙上して座位で治療を行う群に振り分けて調査しています。
指定された体位は入院直後に開始し24 時間維持、主要転帰は 90日の時点での障害の程度としました。勿論、発症後の再灌流の治療後に実施です。

結論的には、結果は同等でした。
90 日以内の死亡率は、仰臥位群の患者で 7.3%、座位群の患者で 7.4%でした。
肺炎などの重篤な有害事象の発現率に、群間で有意差は認められませんでした。



考察)
発症早期では仰臥位にした方が脳循環が良く、回復にも利点があると思われていて、逆に座位の方が嚥下性肺炎の予防には良いとされていますが、今回の結果では以前の報告と異なり、同等でした。


理由として

1)対象患者が比較的神経症状が軽度であったので、早期での座位がpenumbra(早期で神経細胞が
  回復できる領域)に影響を与えなかったのかもしれない。
   ※下記PDFを参照。

2)施設でガイドラインが徹底しており、誤嚥性肺炎の対策が十分で、その発生が抑制出来たかもしれ
  ない。




私見)
 脳卒中患者は従来、動かさないようにとの迷信じみた事が言われていましたが、現在は発症後は早期で
 入院設備の整った病院に転送する事が大事です。
 その際、実地医家としてはフラットの仰臥位での転送が基本です。
 もし誤嚥の危険性があれば、救急車の中で頭を30度位高くして注意観察する事も許される範囲では
 ないでしょうか。



キャプチャ.PNG3.pdf

ペランブラ.pdf

ペランブラの図.pdf









posted by 斎賀一 at 12:56| Comment(0) | 脳・神経・精神・睡眠障害