2017年06月22日

急性呼吸器感染症に抗生剤の適否?

急性呼吸器感染症に抗生剤の適否?

Antibiotic prescription strategies and adverse outcome
for uncomplicated lower respiratory tract infections
 


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 実地医家にとって有難い論文が出ましたのでご紹介いたします。
咳や発熱の患者さんを前にして、抗生剤を使用するか否かの選択は、実地医家にとっては毎日の難問題
です。
処方しないようにとのガイドラインをそのまま鵜呑みにする臨床医は少ないと思います。
それに対してのささやかな指針となりそうです。


結論から纏めますと、

 1) 2009~2013年に開業医を急性呼吸器感染症で受診した16歳以上の人を対象として
    約29,000人を調べました。

 2) 明らかな肺炎や感染症でない咳の患者は除外しています。

 3) 次の3群に分けています。
    ○ a;抗生剤を投与しない群
    ○ b;直ぐに抗生剤を投与した群
    ○ c;遅れて(2〜3日後)に抗生剤を投与した群

    b群の直ぐに投与した理由は、高齢者、合併症がある、頻呼吸、発熱、膿性痰、重症感、
    Spo2の低下、聴診上の異常です。
    c群の遅れて投与した理由はaとcとの間の症状としています。

 4) 全体での割合は、a群が25%、b群が61%、c群が14%でした。
    やはり抗生剤を投与する傾向のようです。

 5) 30日以内の入院率はa群が0.3%で、b群が0.9%、c群が0.4%でした。
    あまり各群による変化はなく、全て0.9%以下でした。直ぐに投与する群ではバイアスが係っており
    入院率がやや高かったのかもしれませんが、概ね入院率は100人に対して1人程度です。
 
 6) 30日以内の再診率は
    a群は19.7%、b群は25.3%、c群は14.1%でした。
    再診率は遅れて投与した方が明らかに低下していました。




私見)
 直ぐに抗生剤を投与した群で、もし投与しなかったらどうなったかの一番の知りたい部分に関して調査をしていません。(比較試験が出来たらと思います。)
 しかし概ね直ぐに抗生剤を投与しなくても良いのかもしれません。
 その代わりと言ってはなんですが、2〜3日遅れても確実に再評価して、抗生剤を与薬するのは患者サイドからしても、又臨床家にとっても安心、安全かもしれません。



Antibiotic prescription strategies.pdf















posted by 斎賀一 at 15:31| Comment(0) | 喘息・呼吸器・アレルギー