2017年06月08日

心房細動のガイドライン(AAFPより)

心房細動のガイドライン(AAFPより)

Pharmacologic Management of Newly Detected Atrial Fibrillation



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 アメリカの学会(AAFP)より、開業医向けの心房細動に関するガイドラインが出ましたので、纏めて
 みました。


 1) 心房細動のリズムを治療するより、脈拍数のコントロールが優先される。
    不整脈の治療薬は副作用があり、脈拍数をコントロールした方が入院率を減少させる。
    脈拍のコントロールの治療薬としては、ワソラン、β遮断薬、ジギタリスがあり、はっきりした
    エビデンスは少ないが、ワソランが優れているようだ。

 2) 脈拍のコントロールは110以下のやや緩い目標の方が、80以下の厳格なコントロールより脳梗塞
    が減少する。
    両者で入院率、心不全、死亡率、QOLに差は無く、しかも緩いコントロールの方が薬物の副作用も
    少ない。

 3) 心房細動の患者に対しては常に脳梗塞のリスクを勘案しなくてはいけない。
    特に二つのツールであるCHADS2とCHA2DS2-VAScを用いるが、その差はあまりない。
    また抗凝固薬を用いた時の出血のリスク予測も充分にしておくことが大事。

 4) 抗凝固薬のワーファリンは不安定で治療域が狭いので、DOACの方が有効かもしれない。
    どのDOACが優れているかは現時点では判明していない。
    腎機能低下の患者でもDOACは適応があるが、end-stage(透析患者やe-GFRが30以下)では
    エビデンスがあるワーファリンが推奨される。


 5) 抗凝固薬と抗血小板薬(アスピリンやプラビックス)との併用は、出血のリスクが増加するので
    推奨しない。
    ワーファリン単独に対して、ワーファリンとプラビックスとの併用を比較した試験があるが、脳
    梗塞の予防効果は同じであった。
    DOACとの併用試験は現在ない。
    ステント治療後では当然、一定期間での併用療法は推奨される。




私見)
 心房細動のオピニオンリーダーの、山下武志氏の論文がありましたので、掲載いたします。
 尚、DOAC(NOAC)に関しては以前の私のブログをご参照ください。




a-fib-guideline.pdf

山下武志氏の書籍テーマで見るNOAC治療の成熟:日経メディカル.pdf

初心に返れ!心房細動診療.pdf

心房細動治療の新時代.pdf








posted by 斎賀一 at 13:06| Comment(0) | 循環器