2017年06月06日

チョコレートが心房細動の予防になる?

チョコレートが心房細動の予防になる?

Chocolate intake and risk of clinically apparent atrial fibrillation



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 適度なチョコレートの摂取が心血管疾患、心不全、心筋梗塞の発生頻度を減少させるとの報告がなされました。


問題の心房細動ですが研究規模が小さいため断定的には結論付けができないとしていますが

 1) 55,502人を登録してBMI、血圧、コレステロールを測定しています。

 2) 13.5年間の経過観察ですが、心房細動が3,346人発生しています。

 3) チョコレートを月に1オンス(28gr:板チョコの約半分)以下しか摂取しない人を基準にすると
     ・月に1オンスを1〜3回食べると心房細動が10%減少
     ・週に1オンスを1回食べると17%減少
     ・週に1オンスを2~6回食べると20%減少
    これを6回以上食べるとカロリーの摂り過ぎとなり、体重増加のマイナス要素となる。




私見)
 チョコレート業界の回し者とは思いませんが、最近チョコレートの効用が叫ばれています。
 以前の私のブログでは(2015-06-17)チョコレートを食べても心房細動の危険は無いとの論文を紹介
 しましたが、今回の報告ではむしろ積極的にチョコレートを摂取した方が、心房細動の予防になるとの
 事です。
 (まさか論者の嗜好が先行している訳ではないでしょうが...。 例えば何かが前立腺癌の予防になる
 とか?)
 最近のチョコレートは小さなピース状ですので(4gr)、疲れたと思ったら、一日に2ピースも食べれば
 上出来でしょうか。




heartjnl-2016-310.pdf












posted by 斎賀一 at 19:53| Comment(0) | 循環器

2017年06月05日

アルコールの飲み過ぎは心房細動を誘発

アルコールの飲み過ぎは心房細動を誘発

Alcohol consumption, sinus tachycardia, and
cardiac arrhythmias at theMunichOctoberfest



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 心房細動の悪化は、以前よりアルコールの過剰摂取が原因と言われています。
 (2015-10-13のブログを参照ください。)
従って心房細動のある人は、日常生活の中でのアルコール摂取に関して特別に注意が必要です。

 今回の論文ではOctoberfest(下記のPDF参照)に参加の一般市民を対象に、アルコール摂取量と心拍との関係を調べています。
このドイツのビール関係のフェスティバルは16日間続き600万人が参加して、平均で1人1リットル以上飲酒するようです。
その中で3,028人を対象に、スマホによる心電図とアルコール濃度を呼気試験で測定し、関連性を調べました。


結論的には

 1) アルコール摂取量と頻脈は関連性がある。

 2) 頻脈が25.9%、その他の不整脈は5.4%の出現

 3) コーホー研究より、慢性のアルコール摂取でも頻脈の危険率は1.03%

 4) アルコール摂取により呼吸性不整脈は減少する。
    呼吸性不整脈は迷走神経優位で起こり、これが減少していると言う事は、自律神経のアンバランス
     (imbalance)を表している。
    このアンバランスが心房細動の基であるとしています。



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私見)
 私はビール少量で心臓がバクバクしてしまいますが、お酒が強く、しかも心臓も強いと過信している
 あなた! 認識していない体の中の世界でバランスが乱れているかもしれません。




アルコール.pdf


theOctoberfest..pdf















posted by 斎賀一 at 20:03| Comment(0) | 循環器

2017年06月03日

乳児のアトピー性皮膚炎とアレルギー疾患の関係

乳児のアトピー性皮膚炎とアレルギー疾患の関係

Phenotypes of Atopic Dermatitis Depending
on the Timing of Onset and Progression in Childhood



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 乳幼児期のアトピー性皮膚炎が、その後のアレルギー疾患(喘息、鼻炎、食物アレルギー)に繋がるか懸念されていますが、今回論文に発表されました。

 2002~2015年にかけて出産した1〜6歳の1,038人を対象にしています。
アトピー性皮膚炎の乳幼児は、およそ20%の頻度でした。


まず、アトピー性皮膚炎を4つのタイプに分類しています。

  A-タイプ : 症状が一時的で、2歳までに出現し4歳までに消失  9%
  B-タイプ : 症状が2歳までに出現し6歳まで継続  7%
  C-タイプ : 症状が2歳以降に出現  5%
  D-タイプ : 症状がない、または稀  80%

全てこのDタイプと比較しての危険率です。

まず食物アレルギーは Aが3.7倍の危険率、Bは7倍
喘息は Bで2.87倍の危険率
アレルギー性鼻炎は AとBで4倍の危険率、Cは3.2倍の危険率とほぼ同じでした。
アトピーの出現の早さとの関係は、鼻炎に関しては無いようです。
 結論的には、最もB-タイプが他のアレルギー疾患と関連しやすいようでした。



私見)
 2歳までの早い時期にアトピー性皮膚炎が出現し継続している場合は、その後のアレルギー性疾患の
 併発に注意が必要です。
 喘息のステロイド吸入の、早期の導入は効果が無いとの事ですし、咳の治療がむしろ重要との論文も
 あります。また感染症、特にマイコプラズマ感染症との関連性が問題となっています。 
 アトピー性皮膚炎のある乳幼児は、長引く咳に注意して診療する事が肝要と思っています。




Phenotypes of Atopic Dermatitis in Childhood _ Allergy and Clinical Immunolo.pdf










posted by 斎賀一 at 14:57| Comment(0) | 小児科