2017年06月15日

ステロイド誘発の骨粗鬆症

ステロイド誘発の骨粗鬆症

2017 American College of Rheumatology Guideline for the Prevention
and Treatment of Glucocorticoid-Induced Osteoporosis



0615.PNG




 アメリカの学会のACRよりステロイド誘発骨粗鬆症(GIO)に対するガイドラインが発表されました。
日本で3年前に発表されたものと、若干異なるようですので両者を掲載いたします。



 ACRのガイドラインを纏めてみますと

 1) 全ての年齢層に適応する。

 2) 基本的には、カルシウム及びビタミンDの摂取を奨励、禁煙、節酒、運動といったライフスタイルの
    改善

 3) 予防治療としては、男性及び非妊娠女性はビスフォスフォネイトが第一選択

 4) 4〜17歳の年齢層には、プレドニン換算で0.1mg/kg以上で3カ月以上の服用が予定されている
    場合に、経口ビスフォスフォネイトを使用

 5) 30歳以上の成人の場合にプレドニン換算で30mg/日で5g/年の服用の予定では、同時にビス
    フォスフォネイトを服用する。

 6) 骨折のリスクが低いと再評価されれば、ビスフォスフォネイトを中止する事も可能

 7) ビスフォスフォネイトの無効の場合や妊娠時に関しては省略いたします。
    (原文参照)




私見)
 ステロイドの長期使用による副作用の対策は、内科医の使命でもあります。
 ガイドラインを良く熟知しての対応が求められています。
 下記のアクセスは、治療導入に関するツールです。
  (日本でのガイドラインでは推奨していない様です。)
 下記に日本でのガイドライン及び、以前の雑誌の内容を抜粋しPDF化しました。



https://www.sheffield.ac.uk/FRAX/tool.jsp



Glucocorticoid-Induced Osteoporosis.pdf

日本のガイドライン.pdf

ステロイド性骨粗鬆症 10年ぶりにGL改訂.pdf

骨粗鬆症の予防と治療.pdf











posted by 斎賀一 at 14:04| Comment(0) | 整形外科・痛風・高尿酸血症

2017年06月14日

山下武志氏の心房細動講演

山下武志氏の心房細動講演
             <ツイッター版>



 心房細動のオピニオンリーダーの、山下武志氏の講演を拝聴しました。
実地医家にとって、特に私には診療に取り入れる点が多々ありましたので掲載してみます。


 1) カテーテルアブレーションは心房細動が発症して2年以内が有効
    75歳以上は適応を慎重にする。(一般的には適応が無いかも)

 2) 心房細動の予後に関して色々なスコアーがあるが、高齢者には余り適応が無い。なぜならばRCT
    (ランダム化比較試験)では調査が出来る元気な人が対象
    つまり高齢者でフレイルな人のデータはない。

 3) DOAC(経口抗凝固薬)を中止する原因の半数は、小出血を心配して自主的に服用しなくなる。
    小出血を医療関係者は軽視する傾向だが、特に高齢者では大出血の予兆でもあるため、十分な
    注意が必要

 4) DOAC服用に対しての出血の予測スコアーが色々あるが、どれも当てにならない。
    特に高齢者は適応が無い。

 5) 高齢者には低用量で十分
    低用量が問題になっているのは、添付文書で認められている低用量より更に減量して処方している
    ケースだ。これでは効果がない。
    エリキュースとリクシアナでは、高齢者には常用量の半量での低用量を正式に認めており、その
    意味で両薬剤は高齢者に適している。(出血のリスクは用量と関係する。)

 6) 心房細動では心拍数と予後とはあまり関係ない。
    寧ろ運動で心拍が増加しない(余力がない)方が問題。
    (勿論、負荷試験をする程の事は無いが、動作時に心拍が上がれば良い方向、と前向きに
    考えよう。)




私見)
 講演のスライドをパクリましたのでPDFで下記に掲載いたします。




         0614.PNG


  
山下武志氏の講演.pdf







posted by 斎賀一 at 19:19| Comment(1) | 循環器

2017年06月13日

C型肝炎ウイルスの感染形式

C型肝炎ウイルスの感染形式
              <ツイッター版>



 分子レベルでC型肝炎ウイルス(HCV)がどの様に肝細胞の中で増殖していくのか、調べ直しました。

まずイントロとして生物学の基本を勉強してみます。
細胞の核に遺伝情報の2重螺旋構造のDNAがあります。その中の1本からポリメラーゼという酵素により、RNAがどんどん複製されていきます。そのRNAが小胞体(蛋白の工場)に行き、コード(遺伝情報)を解読されて蛋白が合成されます。
 一方RNAのウイルスはどのようにして複製され増殖するのか謎でしたが、エイズの研究でRNAからDNAに変化する逆転写酵素が発見されました。これにより、エイズウイルスはDNAに変化して際限なく増殖をします。
 今回のHCVはRNAウイルスです。このウイルスには、自分自身の中にDNAに依存しないポリメラーゼがあり、それが働いて自分自身でどんどん自分自身を複製し、増殖する事が分かりました。
いわゆるRNAワールドです。(生命の誕生の瞬間はRNAでした。やがてポリメラーゼが出現しRNAの増殖に関与していきます。さらに逆転写酵素が発生しDNAまで進化します。これがDNAワールドです。)

 HCVに関しての生活環(life cycle)は下記のPDFに纏めました。
また、細胞の構造に関して忘れてしまった方のためにネットで調べましたので、併せて勉強してください。





HCVの生活環.pdf


核.pdf


細胞小器官.pdf









posted by 斎賀一 at 20:21| Comment(0) | 肝臓・肝炎