2017年06月23日

心筋梗塞後にβ-ブロッカーは有効か?

心筋梗塞後にβ-ブロッカーは有効か?
           <ツイッター版>

b-Blockers and Mortality After Acute Myocardial Infarction
in Patients Without Heart Failure or Ventricular Dysfunction





 統計学的によく理解していないので(propensity-score analysis)今回はツイッター版でご紹介いたします。

 心筋梗塞で入院した場合に心筋の壊死の程度に関わらず(STEMIとnon-STEMI)退院時には殆どの患者さんがβ-ブロッカーを処方されます。
 (心筋の保護と異常興奮を抑える意味で。 本院では、アーチスト、テノーミン、メインテート 等)


今回の論文では

 1) 心筋梗塞で入院した、心不全を併発していない患者さん18万人を対象にしています。

 2) 全体の95%がβ-ブロッカーを服用していました。

 3) 1年後の死亡率を比較すると、服用者と非服用者では 5%対11% と明らかに服用していた方が
    有効でした。

 4) しかし、統計学的に(propensity-score analysis)バイアスを除いてランダマイズ形式にすると、
    1年後の予後は同じでした。





私見)
 筆者は述べていますが、今回の結果をすぐにガイドラインに反映するのは適当でないとしています。
 何とも思わせぶりな論文ですが、診療するものとしては頭の隅に記憶しておかなくてはと思います。




2710.full.pdf













posted by 斎賀一 at 19:30| Comment(0) | 循環器

2017年06月22日

急性呼吸器感染症に抗生剤の適否?

急性呼吸器感染症に抗生剤の適否?

Antibiotic prescription strategies and adverse outcome
for uncomplicated lower respiratory tract infections
 


0622.PNG



 実地医家にとって有難い論文が出ましたのでご紹介いたします。
咳や発熱の患者さんを前にして、抗生剤を使用するか否かの選択は、実地医家にとっては毎日の難問題
です。
処方しないようにとのガイドラインをそのまま鵜呑みにする臨床医は少ないと思います。
それに対してのささやかな指針となりそうです。


結論から纏めますと、

 1) 2009~2013年に開業医を急性呼吸器感染症で受診した16歳以上の人を対象として
    約29,000人を調べました。

 2) 明らかな肺炎や感染症でない咳の患者は除外しています。

 3) 次の3群に分けています。
    ○ a;抗生剤を投与しない群
    ○ b;直ぐに抗生剤を投与した群
    ○ c;遅れて(2〜3日後)に抗生剤を投与した群

    b群の直ぐに投与した理由は、高齢者、合併症がある、頻呼吸、発熱、膿性痰、重症感、
    Spo2の低下、聴診上の異常です。
    c群の遅れて投与した理由はaとcとの間の症状としています。

 4) 全体での割合は、a群が25%、b群が61%、c群が14%でした。
    やはり抗生剤を投与する傾向のようです。

 5) 30日以内の入院率はa群が0.3%で、b群が0.9%、c群が0.4%でした。
    あまり各群による変化はなく、全て0.9%以下でした。直ぐに投与する群ではバイアスが係っており
    入院率がやや高かったのかもしれませんが、概ね入院率は100人に対して1人程度です。
 
 6) 30日以内の再診率は
    a群は19.7%、b群は25.3%、c群は14.1%でした。
    再診率は遅れて投与した方が明らかに低下していました。




私見)
 直ぐに抗生剤を投与した群で、もし投与しなかったらどうなったかの一番の知りたい部分に関して調査をしていません。(比較試験が出来たらと思います。)
 しかし概ね直ぐに抗生剤を投与しなくても良いのかもしれません。
 その代わりと言ってはなんですが、2〜3日遅れても確実に再評価して、抗生剤を与薬するのは患者サイドからしても、又臨床家にとっても安心、安全かもしれません。



Antibiotic prescription strategies.pdf















posted by 斎賀一 at 15:31| Comment(0) | 喘息・呼吸器・アレルギー

2017年06月19日

若くして高血圧の方は一層の注意を!

若くして高血圧の方は一層の注意を!

Heritability and risks associated with early onset hypertension



0619.PNG




 45歳以下で高血圧を発症した人は、65歳以上の方と比べてその後の心血管疾患の発症の危険率は2.19対1.47と、リスクが高いそうです。
これは高血圧の心血管に対する累積した結果とも取れます。
しかしそればかりでなく、問題は早期で高血圧を発症した人の子供も、同じく早期に高血圧を発症する
危険があるとの事です。




         0619-2.PNG


 上のグラフは子供への影響です。両親が早くから高血圧だと、高確率でその子供も早期に高血圧になる
ようです。





         0619-3.PNG


上の図は高血圧になるのが若ければ若い程、心血管疾患の危険率が高い事を示します。




私見)
 若い人の高血圧に関しては、医師も患者さんも薬物療法に関してややユッタリと構えていましたが、家族構成も含めて真剣に取り組まなくてはいけない様です。




early onset hypertension.pdf
















posted by 斎賀一 at 20:10| Comment(3) | 循環器