2017年01月10日

糖尿病薬のガイドライン;ACPより

糖尿病薬のガイドライン;ACPより

Oral Pharmacologic Treatment of Type 2 Diabetes Mellitus: A Clinical
Practice Guideline Update From the American College of Physicians



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 アメリカの学会;ACPより糖尿病の経口薬に対するガイドラインが出ました。
今回は、インスリンやGLP-2阻害薬の注射薬は本ガイドラインに含まれていません。経口薬のみです。
要点をまとめてみました。
 
 1) メトグルコが第一選択薬で変わりはない。
    安価で効果(血糖低下、A1cの低下)が確実、体重の増加がない、低血糖の副作用が少ない等の
    利点がある。
    しかも、腎機能低下でも可能(eGFRが30以上)であるため投与の制限が緩和された。

 2) 第二選択薬にはDPP-4阻害薬かSGLT2-阻害薬。
    スルホニル尿素薬やアクトスはやや後退か。
    スルホニル尿素薬は安価で効果も確実であるが、低血糖や体重増加の問題がある。しかし服用
    していて問題がなければ、継続していた方が良い。

 3) 最近の心血管疾患の予防効果に関する論文、に対する評価は含まれていません。

 4) メトグルコに追加する場合には、第二選択薬としてはSGLT-2阻害薬の方が、スルホニル尿素に比
    して、A1c、体重増加、血圧、脈拍数、心血管疾患の予防に効果がある。
    更にDPP-4阻害薬に比しても、血圧、体重増加の点で利点が多い。

 5) DPP-4阻害薬の場合は長期的に死亡率の低下、心血管疾患の予防に効果的である。アクトスに比
    しては短期的にではあるが、心血管疾患に効果が高い。しかし、ネシーナとオングリザは、既に
    心血管疾患や腎疾患のある人に対しては心不全の悪化を招くかもしれない。

 6) メトグルコの次に何を追加するかはケースバイケースである。
    また、費用対効果も大事である。
    しかし一般的には、体重増加の問題と血圧に対する利点により、DPP-4阻害薬よりもSGLT-2
    阻害薬の方が好ましいかもしれない。



私見)
 原文にはそれぞれの薬剤の効果と副作用が表になっています。更にメトグルコに追加した場合の比較も表に なっています。参考にしたいと思います。
 下記のPDFに本院で採用しています薬剤を赤で囲いましたので参照ください。


ACP糖尿病ガイドライン.pdf


糖尿病薬.pdf










posted by 斎賀一 at 21:57| Comment(0) | 糖尿病

糖尿病患者のシックデイについて

糖尿病患者のシックデイについて



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 糖尿病患者さんのシックデイは古くて新しい問題です。時代と共に、また使用する薬剤により変化して
きています。
今度のガイドラインでも古くからあるメトグルコの使用制限が緩和され、更に新しい薬剤のSGLT-2阻害薬も第二選択になる勢いです。


 敬愛する田中逸氏の小論文がありますので、それをまとめてみました。

 1) 糖尿病の患者さんが、感染症、外傷、急性疾患などのストレス下で、発熱、下痢、嘔吐、食欲低下
    をきたし、食事ができないときを “シックデイ" と呼ぶ。「食事が摂れない」状態が、定義の重要
    な概念である。

 2) シックデイでは食事が摂れないので、一般的に低血糖が心配されがちであるが、病態により高血糖 
    も起こり、ケトアシドーシスや乳酸アシドーシスを誘発することがある。

 3) 一般診療所で、診療時間外や休診日などにより対応できない場合でも放置や自己判断で処置
    せず、休日・夜間当番や急患診療所に連絡、受診するよう指導する。

 4) 受診すべき症状としては、嘔吐や下痢が止まらない、食事がほとんど摂れない、高熱が続く、意識
    状態の低下のほか、全身の状態が悪化している、などが挙げられる。

 5) 血糖自己測定を行っていない場合、尿糖測定は比較的安価で手軽であり、侵襲性も低いので有用
    である。例えば、普段は食後尿糖が出ているだけなのに、空腹時も尿糖が陽性になると血糖が明ら
    かに上昇していることを意味する。逆に食後の尿糖まで陰性になると、普段より血糖が低下してい
    ると推測される。   (ほとんどコピペ)



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私見)
 本院での対応をまとめてみました。

 1) シックデイでは原則、糖尿病薬は服用しない。
    特に、メトグルコ、SGLT-2阻害薬(ジャディアンスなど)、
    DPP-4阻害薬(ネシーナなど)
    インスリン注射やスルホニル尿素(アマリール、グリミクロン)は半量を使用する事もある。

 2) インスリン注射をしている方は血糖を測定する。
    内服のみの方は尿糖測定の試験紙を日頃より保管し、習熟しておく。
    (本院看護士に指導してもらってください。)

 3) シックデイについては、先ずは本院並びにかかりつけ薬局にご連絡ください。



シックデイ.pdf

シックデイを乗り切るために.pdf








posted by 斎賀一 at 21:29| Comment(0) | 糖尿病