2017年01月14日

牛肉は男性にとって結腸憩室のリスク

牛肉は男性にとって結腸憩室のリスク
 
Meat intake and risk of diverticulitis among men



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 結腸憩室は食物繊維との関係が度々言われていますが、その他の食事に関しては明快な研究が
なかったようです。(以前より、ヨーグルト、喫煙との関係、潰瘍性大腸炎の薬の効果、漢方薬が論じられています。)
今回の論文では、男性に限っての調査ですが牛肉、特に加工していない牛肉は大腸憩室のリスクになるとの報告です。

 46,461名の40~75歳の男性を26年間、2012年まで経過観察しています。
牛肉を多く摂ると危険率は1.58に増加しますが、代わりに魚や鶏肉を摂ると、その危険率が低下する
との報告です。



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     牛肉を1週間で多く摂れば危険率は上がるが、一定以上になると増加はしない。



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     魚は摂れば摂るほど危険率は低下、鶏肉も悪化はしない。
    この機序は不明ですが、今後の食事指導には役立つとしています。



私見)
 最近は憩室炎が多くなってきたように感じます。
 特に大人では、虫垂炎よりも診断する機会が増えています。
 また再発する頻度も40%以上との報告がありますので、今後は牛肉は控えて、鶏肉や魚を勧めて
 参ります。




Meat intake and risk of diverticulitis among men.pdf







posted by 斎賀一 at 15:52| Comment(1) | 消化器・PPI

2017年01月13日

前立腺癌に対する新しいガイドライン

前立腺癌に対する新しいガイドライン



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 2016年10月に、前立腺癌に対するガイドラインが新しく改訂になったとの事ですが、詳細に関して私はまだ見ていません。
同年の日本医師会雑誌、11月号に前立腺癌の特集がありましたので、それを代用してまとめてみました。


 1) 近い将来に、男性の癌による頻度は前立腺癌が一番になると予想されている。高齢化社会の到来と
    PSA健診の効果と考えられている。

 2) ラテント癌(臨床症状がなく病理解剖などで偶然に発見される前立腺癌)は本来、早期診断で少なく
    なるはずだが減少しておらず、若い人ではむしろ増加している。この事は前立腺癌が生物学的に
    増加している事を表している。 (食事の欧米化による影響か、とも推測している。)

 3) PSA検診に対しては賛否両論があり、ここ数年は世界的に混乱していた。
    PSA検診無用論がアメリカから発信されたが、これに対してヨーロッパでは有用論が支配的で、
    今回の日本での新しいガイドラインでも有用であると結論づけている。
    但しPSAが1.0以下では毎年検査しなくても良く、1.0~4.0は毎年検査をすべきと層別化している。

 4) 診断の基本は生検(経直腸的にエコーガイド下で、生検刺を刺して前立腺組織を採取する。一般的
    に8~10本あるいは12本採取する方法)であるが、最近ではMRIの進歩により、先にMRIを実施
    する施設が多くなっている。

 5) 病理診断は一般的な臓器の診断とは異なり、構造異型をもって行う。
    (詳細は省略しますが、大腸ポリープのグループ分類とは異なります。)
    グリーソンスコアー(一番多い異型と二番目に多い異型を足す。)で構造異型を表していましたが、
    患者さんに説明する時にやや理解しにくい点があり、代わってグレードグループも用いられていま
    す。現在は病理の報告書は、この両者を併記するのが慣例です。




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         大ざっぱに言って、腺管構造があるかで決めています。



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 生検の場合は3から始まりますので、最低でも(一番良性でも)3+3で6から始まります。

 6) 限局癌の治療
     a;以前はPSA監視療法と言われていましたが、PSAはかなり変動するのでMRIなどの画像診断
      も取り入れるので、単に監視療法としています。癌の進展を疑う場合には基本的に生検を行う
      としています。 (しかし生検は侵襲的のため、PSAや画像診断も参考にしていきます。)
       この監視療法の適応は、グレードグループが1か2の場合です。
     b;手術療法は最近ではロボット支援手術が半数で行われている。
       この方が手術時の出血が少なく、手術時間も短縮される利点がある。
     c;放射線療法も最近では進歩が目覚ましく、IMRT,シード治療,小線源治療があります。

 7) 進行癌の治療
     この分野も進歩が著しく、新薬が登場しています。
     参考までに順天堂のPDFも載せてみました。

     尚、下記の処方例はvol.70 no.4臨床泌尿器科増刊号2016より抜粋しました。



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私見)
 監視療法も過剰診断、過剰治療を避ける意味で設けられた治療法の一種です。 
 当然ながら、十分な監視が必要なようです。
 ロボット支援手術も施設により習術度があり、一概にこの方法がベターとは言えないようです。

 

前立腺癌ガイドライン.pdf


前立腺がんの薬物療法 _ 順天堂大学・順天堂医院泌尿器科.pdf






 
posted by 斎賀一 at 22:00| Comment(0) | 泌尿器・腎臓・前立腺

2017年01月10日

糖尿病薬のガイドライン;ACPより

糖尿病薬のガイドライン;ACPより

Oral Pharmacologic Treatment of Type 2 Diabetes Mellitus: A Clinical
Practice Guideline Update From the American College of Physicians



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 アメリカの学会;ACPより糖尿病の経口薬に対するガイドラインが出ました。
今回は、インスリンやGLP-2阻害薬の注射薬は本ガイドラインに含まれていません。経口薬のみです。
要点をまとめてみました。
 
 1) メトグルコが第一選択薬で変わりはない。
    安価で効果(血糖低下、A1cの低下)が確実、体重の増加がない、低血糖の副作用が少ない等の
    利点がある。
    しかも、腎機能低下でも可能(eGFRが30以上)であるため投与の制限が緩和された。

 2) 第二選択薬にはDPP-4阻害薬かSGLT2-阻害薬。
    スルホニル尿素薬やアクトスはやや後退か。
    スルホニル尿素薬は安価で効果も確実であるが、低血糖や体重増加の問題がある。しかし服用
    していて問題がなければ、継続していた方が良い。

 3) 最近の心血管疾患の予防効果に関する論文、に対する評価は含まれていません。

 4) メトグルコに追加する場合には、第二選択薬としてはSGLT-2阻害薬の方が、スルホニル尿素に比
    して、A1c、体重増加、血圧、脈拍数、心血管疾患の予防に効果がある。
    更にDPP-4阻害薬に比しても、血圧、体重増加の点で利点が多い。

 5) DPP-4阻害薬の場合は長期的に死亡率の低下、心血管疾患の予防に効果的である。アクトスに比
    しては短期的にではあるが、心血管疾患に効果が高い。しかし、ネシーナとオングリザは、既に
    心血管疾患や腎疾患のある人に対しては心不全の悪化を招くかもしれない。

 6) メトグルコの次に何を追加するかはケースバイケースである。
    また、費用対効果も大事である。
    しかし一般的には、体重増加の問題と血圧に対する利点により、DPP-4阻害薬よりもSGLT-2
    阻害薬の方が好ましいかもしれない。



私見)
 原文にはそれぞれの薬剤の効果と副作用が表になっています。更にメトグルコに追加した場合の比較も表に なっています。参考にしたいと思います。
 下記のPDFに本院で採用しています薬剤を赤で囲いましたので参照ください。


ACP糖尿病ガイドライン.pdf


糖尿病薬.pdf










posted by 斎賀一 at 21:57| Comment(0) | 糖尿病