2016年06月30日

夏風邪のエンテロウイルスが流行

夏風邪のエンテロウイルスが流行



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 手足口病やヘルパンギーナに代表されるエンテロウイルスが流行り始めています。
ネットのMedleyにも記事が載っています。念のため下記にPDFを追加いたします。


https://medley.life/%E6%89%8B%E8%B6%B3%E5%8F%A3%E7%97%85



 ちょうど、小児科という総合雑誌にも特集が組まれていますので、まとめてみました。
その前に、多少エンテロウイルスについて勉強をし直しました。
 エンテロウイルスには下記の種類があります。


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   もう一つの分類もあります。


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 例えば、エンテロD群の68ならD68と記載します。
一般的にはこの中で、ポリオウイルス以外が夏風邪ウイルスとして扱われます。

特徴は、
 1)一つの病気でも色々な種類のウイルスが原因となり得る。
 2)逆に一つのウイルスでも、違った種類の病気を引き起こす。
 3)一つの病気でも、経過で他の病気に移行する事がある。
    例:ヘルパンギーナから手足口病に変化(?)する事はよく経験する。
 4)殆どが軽症で乳幼児に多いが、中にはウイルスの種類によっては重症化したり、大人でも罹患する
   事がある。
 5)ウイルスが異なれば、2回以上の疾患をワンシーズンに罹ってしまう。
   例:ヘルパンギーナをひと夏、二回罹ってしまう事もある。


 エンテロウイルスで起る主な病気は

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 一般的に夏風邪は髄膜炎、冬は肺炎が心配だと言われていますが、
今回の小児科雑誌の特集では、下記の稀ながら重症化するエンテロウイルス感染症を挙げています。

 1)心筋炎(劇症型を含む)
   頻脈や除脈に注意して、簡便な心エコーを利用する事も一つの方法かと思います。
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 2)心膜炎
   これも簡便な心エコーを利用するのも良いかと思います。
 3)流行性筋痛症
   肺炎、心筋梗塞等との鑑別が必要になりそうです。
 4)妊婦や新生児には特別に注意が必要
 5)エンテロウイルスD68が昨年に流行
   1962年に、米国でエンテロウイルスD68の呼吸器感染症が報告され、 2014年に米国で大流行し、
   日本でも2015年秋に大流行がみられた。幼児から学童で、喘息様の呼吸器症状をきたすのが特徴
   である。また呼吸器感染から1週間前後で、弛緩性麻痩をきたす症例が報告され、エンテロウイルス
   D68の関連が疑われている。
    ※下記の表を参照ください。
 6)boston exanthem(顔四肢発疹症)
   これもエンテロウイルスが原因であるが、突発性発疹との鑑別が必要になる。
   突発の方が高熱で1歳未満が多いが、bostonはやや発熱の程度と期間は軽い。また小学低学年
   にもあり年齢の幅がある。
   皮膚症状は、突発は胸腹部から始まるが、bostonは逆に、顔四肢から始まり胸腹部にいたる。


 下記にD68についての表を掲載します。


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  Uptodateより手足口病の特異的な皮膚症例を掲載します。

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私見)
 エンテロウイルスは、殆どが乳幼児で軽症です。
 しかし中には大人も罹患して、重症化する場合もあります。
 その事を医療従事者も保護者も、認識しておくことが大事だと思います。



手足口病にこんな人がかかったら? - 手足口病ガイド _ MEDLEY(メドレー).pdf

手足口病に似ているヘルパンギーナってどんな病気? - 手足口病ガイド _ MEDLEY(メドレー).pdf

手足口病の症状ってどんなものがあるの? - 手足口病ガイド _ MEDLEY(メドレー).pdf

手足口病の頻度は地方ごとの気候によって違う - MEDLEYニュース.pdf










posted by 斎賀一 at 13:56| Comment(0) | 小児科

2016年06月28日

オリンピックの応援にブラジルに渡航する人のために

オリンピックの応援にブラジルに渡航する人のために

 

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 ブラジルは今、ジカ熱が流行しているとの報道ですが、ここにきて厚労省より、黄熱病の対策をしてから渡航するようにとの勧告が出ました。
ご参照ください。





FORTH|お知らせ|2016年|オリンピック・パラリンピックでブラジルへ渡航される方へ.pdf










posted by 斎賀一 at 19:59| Comment(0) | 感染症・衛生

弾性ストッキングの使用期間について

弾性ストッキングの使用期間について

One versus two years of elastic compression stockings for prevention of
post-thrombotic syndrome (OCTAVIA study):randomised controlled trial



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 深部静脈血栓症の治療後に、再発予防のため弾性ストッキングを使用しますが、その期間についての論文が出ました。
以前は2年間装着しても1年間との差はないとされていたようですが、今回の論文では、やはり2年間は弾性ストッキングを使用した方が良いようです。


私見)
 軽度の下肢の浅在性静脈瘤でも、本院では弾性ストッキングを指導していましたが、疾患を合併していなければ、特別な環境以外はそれ程着用しなくても良いようです。
これも患者さんの層別化が大事と言う事でしょうか。


弾性ストッキングの使用期間について.docx





posted by 斎賀一 at 19:44| Comment(0) | その他