2016年05月31日

どの鎮痛解熱剤が胃潰瘍の発生の予防に有効か

どの鎮痛解熱剤が胃潰瘍の発生の予防に有効か

comparative effectiveness and safety of strategies for
preventing NSAID-associated gastrointestinaltoxicity



0531.PNG



 どの鎮痛解熱剤が胃の副作用が少ないかは、実地臨床家にとって重要な事です。
2016.3.26 のブログでも紹介いたしましたが、再確認する論文が出ました。

 本院での薬剤を紹介いたします。

  ○ COX-2阻害薬 ; セレコックス
  ○ 一般的なNSAIDs ; ロキソニン、二フラン、ナイキサン、カロナール、ブルフェン
  ○ PPI・胃酸分泌抑制剤 ; タケプロン、パリエット、ネキシウムなど
  ○ H2ブロッカー ; ガスター、ザンタック、アシノン、プロテカジンなど

 胃カメラを用いて胃潰瘍の発生頻度を比較しました。
一番少ない順番から記載しますと(好ましい順位)

   1)COX-2阻害剤+PPI
   2)NSAIDs+PPIとCOX-2阻害薬単独とは同じ
   3)H2ブロッカーとmisoprostolは殆ど効果なし

   
私見)
 姑息的にH2ブロッカーやmisoprostolを用いても効果は無さそうです。
 患者さんの層別化が重要です。


Systematic review with network meta-analysis_ comparative effectiveness and .pdf



2016年05月30日

アスリートの若者へ

アスリートの若者へ

Health Tip: Keep Your Head in the Game



0530.PNG
 
       

 試合中に心を落ち着かせる方法がHealth day(日本版)に載っていました。
全文をコピペいたします。


 試合中に心を落ち着かせる方法(2016.5.26配信)

スポーツをするとき、プレッシャーが大きすぎては楽しむことができません。試合中の緊張をほぐすためのテクニックを紹介します。

 ・静かな場所を見つけ、深呼吸をしましょう。大きく息を吸い、5秒間息を止めて吐き出すことを繰り返し
  ます。
 ・筋肉を収縮させて5秒間その状態を維持した後、力を抜いて緩めます。緩めるからだの部位を変え
  ながら、この動作を5回行います。
 ・穏やかで落ち着けるような光景を思い浮かべます。ストレスがすべて体から出ていくところを心に描き、
  試合で成功する自分を想像してみましょう。
 ・ミスや失点のことをくよくよ悩まず、前向きに考えましょう。

 
情報元:米国家庭医学会(AAFP)(HealthDay News 2016年5月12日)


私見)
  私が3歳の時に亡くなった父は、剣道でそれなりに名が通っていたようです。
それに憧れて、小学生より町の剣道道場に通っていました。
よく周りの人に父の話を聞いて得意でしたし、それなりに才能があると自分では思っていました。
 しかし残念ながら、本番に弱い欠点があり、振り返りますと、その後の人生でも勝負どころを見逃す事が 多々ありました。
 妻の「あなたのお父さんが生きていたら、もっと変わっていたでしょうね。」と言った昔の一言が、今でも身に沁みます。
 昔、父の遺影を私の息子に授けましたが、そのお蔭か、息子は色々な逆風にもめげず何とか頑張っています。嬉しいやら悲しいやら、複雑な感慨です。
 
  アスリートの若者よ! 妻には負けるな!


Health Tip_ Keep Your Head in the Game.pdf






posted by 斎賀一 at 19:40| Comment(1) | その他

2016年05月28日

逆流性食道炎は炎症か?

逆流性食道炎は炎症か?

Association of Acute Gastroesophageal Reflux
Disease With Esophageal Histologic Changes


0528.PNG



雑誌JAMAより、たった12例の症例ですが、逆流性食道炎は胃酸の逆流性による食道粘膜の障害ではなく、それにより誘発されたサイトカイン(炎症を引き起こすたんぱく質)による炎症とする仮説が掲載されました。
それ以前に動物実験ではその事を証明している文献があるようです。

 逆流性食道炎の患者12例にPPI(胃酸分泌抑制剤)を投与して、治癒後にPPIを中止し、その後1〜2週間して胃カメラで再検すると、食道粘膜が糜爛を起こして再発をしていましたが、その部位より離れた糜爛がない食道粘膜には、サイトカインと関係するリンパ球が多く存在し、かつ食道粘膜の基底層の増殖と乳頭の過形成(延長かは意見が分かれると思います)が認められておりました。
この事は炎症が引き続き存在している事を示唆するとしています。


       0528-2.PNG




私見)
 本論文の逆流性食道炎の病理所見は、色々な日本の教科書に、すでに記載されております。ただ症例が少ないと言えども、本論文では糜爛が存在しない部位で、サイトカインを想定した炎症があるとする点が卓越していると思いました。
PPIでコントロールできない逆流性食道炎もあり、長期にPPIを服用せざるを得ないケースも多々あります。
この分野での更なる進展を期待します。(もしかして抗アレルギー剤も効果があるかも)


       0528-3.PNG  
 
       中村眞一の消化管病理標本の見方より


       0528-4.PNG
       
       羊土社の消化器病理の見方とコツより
       
       乳頭については下記のPDFを参照ください。


       0528-5.PNG



JAMA Network _ JAMA _ Association of Acute Gastroesophageal Reflux Disease W.pdf





posted by 斎賀一 at 15:15| Comment(0) | 消化器・PPI