2016年03月31日

慢性安定狭心症について

慢性安定狭心症について

nejm.org March 24, 2016

  
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 安定狭心症について、NEJMに総説が出ましたのでまとめてみました。

 1)狭心症の疑いがあれば、確定診断がなくても、血圧、コレステロールの管理をすぐに始めるべきで
   ある。

 2)症状は、典型的、非典型、非胸痛性 に分かれる。

 3)診断はストレステストや負荷心電図によるが、安全のため以下の条件が必要である。
    ・比較的若い人、安静時心電図が正常、負荷に耐えられるなど

 4)CTA(CTによる血管造影)も有効だが、過剰診断の可能性がある。
   ストレステストよりCTAの方がやや正確であるが、放射線の被曝を考えると、出来ればストレステスト
   が第一選択である。
   CTAは除外診断の価値はある。


 治 療

 1)アスピリン
   23%の心筋梗塞の発生を抑制できるが、死亡率の低下はあまり影響ない。

 2)血圧は出来れば、120以下を目標

 3)脂質異常に対しては、LDLコレステロールを治療前の70%以下にする。

 4)生活改善 : 体重減少、甘味食物の制限、禁煙など。

 5)ニトロペン(舌下錠)
   狭心症と確診してなくても処方すべきである。3錠 用いても胸痛が軽快しない場合は、次の治療に
   進むべきである。

 6)β―ブロッカー
   死亡率は減少しないが、心筋梗塞の再発は抑制できる。

 7)β―ブロッカー、ヘルベッサーRとアイトロールの三者併用をガイドラインは推奨している。
     (相乗効果がある。本院ではシグマートを多用しています。)
   薬の量は徐々に増量する。(血圧、脈拍を注意しながら)
   しかし併用療法に懐疑的な論文もある。(β―ブロッカー単独と同程度)

 8)Ranolazine
   PDFを参照

 9)ザイロリック(痛風治療薬)
   臨床データが不足しているためアメリカでは未だ承認されていないが、ヨーロッパでは既に承認されている。
10)侵襲的治療
    PCI(ステント治療を含む)かCABG(バイバス手術)か
    アメリカではCABGが優先しているがヨーロッパではPCIが第一選択
    選択はSYNTAX scoreを用いる。(下記にアドレスを記載しました。)

私見)
 安定狭心症については、診断よりも治療先行でも良いとの内容に、ややほっとしました。もちろん後方施設での確定診断は重要です。

http://www.syntaxscore.com/

Ranolazine.pdf

  

posted by 斎賀一 at 14:06| Comment(0) | 循環器

2016年03月30日

COPD(慢性閉塞性肺疾患)に対する吸入ステロイド剤

COPD(慢性閉塞性肺疾患)に対する吸入ステロイド剤


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 以前よりCOPD患者さんに吸入ステロイド剤を使用すると、肺炎を誘発するのではないかと心配されていました。
今回のヨーロッパの学会の見解としては、肺炎の危険より吸入ステロイド剤を使用する利点の方が優れている。 よってその使用に対しての変更はないとするものです。
 しかし吸入ステロイド剤を使用するにあたり、臨床家も患者側も肺炎の徴候に充分に理解をして注意を払わなくてはいけないと警告しています。


私見)
 ステロイド剤の用量も、常に適正量を考えて使用する必要がありそうです。


PRAC reviews known risk of pneumonia with inhaled corticosteroids for chronic obstructive pulmonary disease.pdf




posted by 斎賀一 at 18:23| Comment(0) | 喘息・呼吸器・アレルギー

2016年03月29日

日光暴露を避ける事は喫煙と同程度の危険

日光暴露を避ける事は喫煙と同程度の危険


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 日光に暴露されることにより、平均寿命は0.6~2.1年も伸びるとの論文が出ました。
特に心血管疾患の減少をもたらします。
 以前より日光に暴露されると、皮膚がん、特に悪性黒色腫の発生が心配されていましたが、本論文の著者はその皮膚がんの発生頻度は低く、またボート上で日光浴をするのでなければ、日焼け止めクリームの使用は間違っているとも述べています。
 本論文では、ビタミンDの効能に関しては言及していないようです。
ライフスタイルで重要な因子として、喫煙、肥満、運動不足が以前より言われていますが、この日光暴露の減少も上げています。
(それぞれが独立因子ではありますが、微妙に関与しているとも感じられます。)


私見)
 ややバイアスが関与しそうな結果ですが、日光をあまりに恐れる事も危険と言えそうです。
  よく町でサングラスをして、両手に長い手袋をして、長ズボンを履いて、更に帽子に日傘の女性を
 見掛けますが、とてもおしゃれな感じはしません。
 個人的な願望ですが、今年の流行色は色黒でどうでしょうか。


  
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      Lindqvist_et_al-2016-Journal_of_Internal_Medicine.pdf




posted by 斎賀一 at 19:41| Comment(1) | その他