2016年02月29日

乳幼児のインフルエンザワクチンは効果がないのか?

乳幼児のインフルエンザワクチンは効果がないのか?


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 「1歳以下の乳幼児にインフルエンザワクチンを接種しても、効果が乏しい。」

 日本のインフルの専門家の見解です。
私としては若干、抵抗を感じています。
それは一種の感情的ともいえるものです。
本音で言えば、このブログは私の感情が先にあって、それに見合った論文を探し求めている、と言っても過言ではありません。
ここで言う感情とは大層ご立派なものでもなく、ただそこらましにある、ありふれた感情です。

 今回、乳幼児にもインフルエンザワクチンが有効、との論文を見つけました。
70%の効果のようです。
(この効果率は、test-negative designという統計処置を行っての結果です。
 残念ながら、統計も数学も音痴になってしまった私には、単純に70%の効果、と思います。)
 
test-negative designの文献も掲載いたします。


    Influenza Vaccine Effectiveness and Uptake in Children at Ri... _ The Pediat.pdf

    test-negative design.pdf



posted by 斎賀一 at 19:56| Comment(0) | インフルエンザ

2016年02月27日

インフルエンザ・ワクチン、今シーズンは有効

インフルエンザ・ワクチン、今シーズンは有効

 CDCからの中間報告
  

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 全体として、今シーズンのインフルエンザ・ワクチンは危険率を59%減少させていました。
昨シーズンは、ワクチン製造の段階でインフルエンザ・ウィルスが変異してしまい、その効果は、18%と低水準でした。

 H1N1で51%、B型全体で’76%、B型のyamagataで79%の効果でした。
まだ年齢、H3N2、B型のvictoriaの統計が出ていないので、中間報告の形です。

H1N1は重症化が言われています。やはりワクチンは推奨すべき、としています。


私見)
 ワクチンの効果の低さや、インフルエンザの多くは重症化しないといった考えで、ワクチンの接種を控える傾向があるかと思いますが、医療従事者として、多くの文献を参考に最善の方針を提供できたらと思っています。
  (乳幼児での発症の抑制はないと言われていますが、重症化や入院率の低下に対する効果はありそうです。)


Flu Vaccine Nearly 60 Percent Effective _ CDC Online Newsroom _ CDC.pdf


posted by 斎賀一 at 16:42| Comment(0) | インフルエンザ

2016年02月26日

スタチン(脂質異常症治療薬)による自己免疫性筋症

スタチン(脂質異常症治療薬)による自己免疫性筋症

 n engl j med 374;7 nejm.org February 18, 2016 より


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 NEJMより、スタチンによる副作用に関するレビューが出ましたのでまとめてみました。

(尚、本院で使用しているスタチンは、メバロチン、リピトール、リバロ、クレストールです。)


 1)スタチンによる筋肉痛はプラセボ−と同じ頻度であり、その効果は確立されており、副作用は限定的
   である。
   多くは服用して早期に副作用が出現する。
   服用して、ある程度してからの筋肉痛は多くはスタチンに関連はない。

 2)スタチンによる筋肉の障害は1年間で1,000人中1人の割合で起きる。
   しかも、服用を中止すると自然に回復するか、継続しても軽快する事が多い。

 3)今回の主たるテーマの自己免疫性筋症は、10万人中2〜3人の割合で起きる。
   服用を中止しても、適切な治療をしないと進行性である。
   筋肉痛は両側性の近位の筋肉で起き易く、血液検査のCPKが、正常の10倍以上に増加する。
   治療はステロイド薬の内服、更に免疫抑制剤も必要な事が多い。


私見)
 スタチンの効果は証明されており、その副作用も稀である事が判明しています。しかしこの自己免疫性筋症のように重症化する症例もあり、十分な注意が必要です。
 スタチン関連の筋肉の障害は、大きく分けてこの自己免疫性と、非自己免疫性があります。
一般には非自己免疫性の方が頻度は多く、また自然に軽快します。
 スタチンの種類により筋肉の障害の頻度は異なりますので、その辺を十分に考慮して処方しています。(スタチンは作用により、mild~strongがあり、また、脂溶性と水溶性があります。)
 定期的に血液検査を行いCPKの異常に注意が必要です。
 NEJMに記載された指針では、CPKが正常値の10倍以上としていますが、実地医家の立場としては3〜4倍以上でスタチンを中止としています。
(CPKは運動、筋肉痙攣、筋肉注射でも高値となります。)


   ストラテジー.pdf


 以下にuptodateより、スタチンによる筋障害の分類を掲載します。


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posted by 斎賀一 at 13:40| Comment(0) | 脂質異常