2016年01月30日

フラボノイドの効果

フラボノイドの効果


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 以前のブログでも、甘いジュースは良くないが、生の果物は糖尿病の予防になるとご報告いたしましたが、果物と野菜が体重減少に繋がるという論文が出ましたので掲載します。

フラボノイドのflavonols、flavan-3-ols、anthocyanins、flavonoid polymersを摂取することにより、体重の増加を抑制し且つ、糖尿病や高血圧の予防、更にある種の癌も予防できるという内容です。
対象は27〜65歳の124,086人で1986~2011年にかけて、4年ごとにアンケート調査をしています。

 フラボノイドを摂ると、脂肪の吸収を抑制するメカニズムや、フラボノイドにはカロリーを筋肉に吸収させ、糖尿病の予防に繋がるという実験結果の論文も紹介しています。
しかも、体重のコントロールが血圧や糖尿病の予防に繋がり、しいては心血管疾患の低下となると推測しています。


私見)
 やや大規模な調査ですし、長期間でもあるので説得力がありそうです。
野菜と果物の種類に気を付けて、大いに摂取した方が良いようです。
ただしジュース類は高カロリーになるため勧められません。
論文では緑茶、リンゴ、バナナ、梨、ベリー(果実、ブルーベリー、イチゴ)を勧めています。
果物と野菜が好物の私としては、うれしい限りです。


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     Dietary flavonoid intake.pdf

     Flavonoids _ Linus Pauling Institute _ Oregon State University.pdf




2016年01月29日

コーヒーは不整脈と関係ない

コーヒーは不整脈と関係ない


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 不整脈に期外収縮という種類があります。
正常のダイナモから定期的に心拍は発生していますが、それが心臓の自家発電から不定期に発生した心拍が期外収縮です。
 心臓の病気のある方、特に冠動脈疾患のある方は注意が必要ですが、それ以外の方は生命予後に関係ないと言われています。
 この期外収縮は上室性と心室性に分かれます。期外収縮は予後が良いと言われても、上室性は心房細動に、心室性は心不全に移行しないか等、患者さん本人としては心配されるところです。
 以前からガイドラインでは、、心疾患のある人は危険因子を避ける事を勧めています。その中にコーヒーやアルコールが含まれています。

 今回のサンフランシシコ大学からの研究で、コーヒーの摂取量と期外収縮の発生頻度や進展は無関係との報告がでました。
心疾患の人でも、コーヒーを制限したり避けたりする必要はないようです。


私見)
 他の文献では、1日で5杯までは大丈夫としています。
 心疾患のある方もコーヒーを楽しんでください。
 ただしブラックで。

Regular Caffeine Consumption Does Not Result in Extra Heartbeats, Study Show.pdf
posted by 斎賀一 at 13:24| Comment(0) | 循環器

2016年01月26日

ピロリ菌の除菌の効果について

ピロリ菌の除菌の効果について(遺伝子生物学的に)
 胃癌の粘膜切除後の除菌の効果はあまりない


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 早期の胃癌に対しては、内視鏡による粘膜切除術が一般的です。
その後の二次的な胃癌の発生を抑制する意味でも、ピロリ菌がいれば除菌しておくのが理想的です。
 ピロリ菌がいると、胃粘膜はそれに対抗しようとして、「腸上皮化生」 といって腸のような上皮に変化して、ピロリ菌が住めないようにします。しかし、その変化が遺伝子の変化にも繋がり、癌細胞の発生母地となってしまいます。この腸上皮化生からは、分化型の胃癌が発生します。つまり、腸上皮化生は胃癌の前癌状態。 とは言い過ぎで、前癌状態を提供しやすくなっていると思ってください。

 今回の論文では、分子生物学的に除菌の効果を検査しています。
除菌することにより、腸上皮化生の粘膜の中で、癌化の変化が修復されているかを胃癌の粘膜切除の1年後に調べましたが、殆ど変化していませんでした。
つまり、一度早期でも胃癌が発生してからは、除菌しても治療後の二次的な胃癌の発生の予防にはならない、との結論です。

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     左の項目は全て癌化を進める遺伝子生物学的変化を示す検査です。
     除菌しても殆ど好転していないと著者は述べています。


私見)
 癌化のプログラムが進んでいたら、除菌しても効果はないかもしれません。
 論文では1年間の経過で観ていますが、この1年間は短いようで、長い感じもします。
 
 私としては、除菌を勧める場合は
  
   ・40歳以下は全員
   ・40〜50歳は腸上皮化生が高度の場合
   ・50歳以上は患者さんが強く希望した場合のみ
 
  と考えていますが?

Effects of Helicobacter pylori eradication.pdf

【医療者の方はこちら】DNAミスマッチ修復機構マイクロサテライト不安定性(MSI)検査|.pdf




posted by 斎賀一 at 20:03| Comment(0) | 消化器・PPI