2015年12月29日

糖尿病治療の改訂(2016年版)ADAより

糖尿病治療の改訂(2016年版)ADAより
 

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 米国糖尿病学会(ADA)から新たにガイドライン(2016年)がでました。
基本的には患者中心の治療の必要性を更に進めています。

 1)抗血小板治療のアスピリン療法は、女性の場合50歳からとしています。以前は60歳でした。50歳
   以下の場合は、リスクがある場合としています。
 2)糖尿病患者で、脂質異常症を積極的に治療する必要があれば、スタチンにゼチーアを追加する事も
   検討すべきとしています。
 3)ヘモグロビンA1cは基本的には6.5以下ですが、低血糖の危険があれば、7.0以下で良しとしていま
   す。高齢者で低血糖の危険がある人は、8.0以下を目標としています。
   成長期の1型糖尿病は、7.5以下としています。
   (基本健診では、6.2以上を糖尿病の疑いとしていますが、これは診断や治療目的ではなく、あくま
   でも糖尿病の見逃しを避けるための基準です)
 4)糖尿病患者の血圧目標は、140/90以下としていますが、最近わたしのブロブでもご紹介しました
   SPRINTの結果が議論を起こしています。
   確かに、このSPRINTは糖尿病患者を対象から除外していますが、この結果を尊重して、糖尿病
   患者でも降圧目標を、120以下にすべきとする提言もあるようです。


私見)
 あくまでも患者本位が大事だとしています。
 (よく他科の先生にA1cをなになに以下にしなくては治療をしてあげないと言われますが、これって一種の脅しではないかと。私はいつも被害者意識を持ってハイハイと返事をしています。これ、内緒...。)

http://care.diabetesjournals.org/content/39/Supplement_1
posted by 斎賀一 at 15:39| Comment(1) | 糖尿病

2015年12月28日

胆嚢炎の早期の手術は有効

胆嚢炎の早期の手術は有効
    

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 従来から、胆嚢に炎症がある間は、手術は控えた方がいいかもしれないと言われていましたが、今回は合併症がなければ、早期の手術が予後も経費に関しても有効、とする論文がでました。
 この論文では、早期とは7日以内を指します。(TOKYOガイドラインでは72時間以内としています)
発症から8〜12週遅れての手術では再発が17.4%、経過観察をしてからの手術では47.7%の再発でした。
下記の合併がない時には、早期の手術を勧めています。

 ○ 総胆管の拡張、膵炎の合併、高齢者、リスクのある場合、無胆石胆嚢炎

予後も早期の待機的手術が良いようです。(緊急でない)


私見)
 胆石がある人は、1度でも症状があれば、手術の適否を判断するために早期に外科系にご紹介しています。患者さんもその事を周知しておく必要がありそうです。


Early Cholecystectomy for Acute Cholecystitis Offers the Best Outcomes at th.pdf


posted by 斎賀一 at 20:30| Comment(0) | 消化器・PPI

2015年12月27日

抗生剤(抗生物質)の耐性化の原因

抗生剤(抗生物質)の耐性化の原因


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 抗生剤が効かなくなったのは(耐性化)、医師が抗生剤を多用したり、畜産でも過剰に使用しているからだとされています。
しかし、グローバルに抗生剤の耐性化が進んでいるのは、これだけでは説明できないとする論文が出ました。

 アメリカのサバンナリバーの核再処理施設周辺から、大腸菌 427 の有無を調べています。
サバンナリバーの軍事用の核施設は、1953年以来廃墟同然となっているようです。殆どが農業、畜産、抗生剤が発達する以前の河川でしたが、その後、この核再処理施設から流出した汚染水の中に、抗生剤耐性の大腸菌が見つかりました。
その原因として、カドミウム、水銀を想定しています。


私見)
 色々な環境汚染が、抗生剤の耐性化をグローバルに推し進めている可能性があります。
もちろん一人の患者における耐性化は、医師の抗生剤の多用が問題であるのは、医療従事者として常に認識すべきだと肝に銘じています。


     日本の核施設は大丈夫でしょうか。
     
     福島の除染は心配ないのでしょうか。


Patterns of Multi-Antibiotic-Resistant Escherichia Coli from Streams with No.pdf

世界の再処理施設における火災・爆発事故 (04-10-03-03) - ATOMICA -.pdf