2015年11月30日

無症候性心筋梗塞について

無症候性心筋梗塞について


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症状のない心筋梗塞は、糖尿病、女性、ステントの留置した患者、高齢者などに多いとされていました。
今回はJAMAの報告です。

心血管疾患の既往のない1,840名が対象です。
年齢は45~84歳(平均で68歳)です。
CTの一種のCMRという検査は心筋の瘢痕がはっきりと見えるそうです。
7.9%に心筋瘢痕がありました。(瘢痕は以前に心筋梗塞があったことを意味します。)
その内の114人(78%)は、症状や心電図で心筋梗塞と診断されていませんでした。

私見)
 高齢者で血行動態の変化、原因の不明な心機能の低下、貧血の悪化、急なむくみなどがある場合は、常に心筋虚血を考えるべきと改めて感じました。
 また、血行動態の変化が心筋虚血に至る事も想定しなくてはなりません。

JAMA Network _ JAMA _ Prevalence and Correlates of Myocardial Scar in a US C.pdf


posted by 斎賀一 at 19:19| Comment(0) | 循環器

2015年11月26日

COPDの患者に吸入ステロイドをすると肺炎の危険?

COPDの患者に吸入ステロイドをすると肺炎の危険?


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 COPDと喘息を併発した高齢者が多くなっています。治療の選択肢として、
気管支拡張剤とステロイドの合剤を多く用いてきております。
ステロイドの吸入により肺炎の合併が心配されておりましたが、発生はそれ程でないとする論文も多くありました。
 今回は逆に注意を促す論文がでました。
現在、COPD患者の85%が吸入ステロイドを使用しています。
論文では4.9年間、調査しています。

103,386人のCOPD患者を対象にしています。14,020人が肺炎を発症(2.8人/100/年)
吸入ステロイドを中止する事により、肺炎の合併を37%減少できた。
1か月以内に中止すれば20%の減、4か月以内で50%の減
減少効果は、fluticasoneの方がbudesonideよりあった。(逆に言えば、budesonideの方が肺炎を起こさないと言う事か?)


私見)
 COPDと喘息のオーバーラップ(ACOS)では吸入ステロイドは有効かもしれないが、厳密に診断しなくてはいけないと指摘しています。
また、COPDが気管支拡張剤でコントロールできない場合は、吸入ステロイド単独で行うべきともしています。
安易な絨毯爆撃のような治療は慎むべきかと考えます。

Inhaled Corticosteroids in COPD.pdf


posted by 斎賀一 at 14:18| Comment(0) | 喘息・呼吸器・アレルギー

2015年11月25日

新しいC型肝炎の経口薬はあらゆるタイプに適応あり、 しかも肝硬変の患者にも有効

新しいC型肝炎の経口薬はあらゆるタイプに適応あり、
しかも肝硬変の患者にも有効
 This article was published on November
16, 2015, at NEJM.org.


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NEJMに、C型肝炎の経口薬に関する治験結果が2つ報告されました。
治験薬はソホスブビル/velpatasvir合剤です。

 論文1
  約700人のC型肝炎で、タイプは1,2,4,5,6です。
  その中には20%の代償性肝硬変(症状が軽度)も含まれています。
  結果は服用後12週で99%に効果ありでした。

 論文2
  270人のやはり全てのタイプのC型肝炎で、非代償性肝硬変を対象にしています。
 (Child–PughのB)
  
  12週間で効果は83%
  24週間で効果は86%
  リバビリン併用の12週間で効果は94%
  (しかしリバビリン併用のほうが貧血の副反応は倍の31%にありました。)
  
  この経口薬で肝硬変の重症度スコアーの改善も認められています。

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既に日本では3種類の経口薬が承認されています。
それぞれの特徴があります。今回の治験薬も加わりますと、更に選択肢が広がります。

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私見)
 あるコメントです。いい薬でも高価で皆に行き渡らなければ意味がないと言っています。




posted by 斎賀一 at 18:43| Comment(0) | 肝臓・肝炎