2022年12月06日

インフルエンザとコロナの同時流行のシーズン?

インフルエンザとコロナの同時流行のシーズン?

<患者さんへの情報>


 千葉県でもインフルエンザの学級閉鎖が始まりました。
本院でもコロナとインフルエンザの同時抗原検査を予定して参りますが、現時点ではRSと
ライノウイルス感染が流行しているため、喘鳴を伴う発熱には注意が必要です。
感染性胃腸炎もピークとなっています。嘔吐を伴う他の疾患との鑑別が大事です。

 千葉県で本日より発熱のオンライン診療が始まります。
新しい試みで歓迎しますが、そもそも診療の精度は70%と理解しています。
殆どの疾患が自然治癒するので結果、精度が上がるわけです。オンライン診療はリスクのない
人、と限定のため有効利用が期待されますが、一番の精度管理に必要な点は、既往歴と症状の
経過観察です。本院の存在価値はそこにあると思っています。
県のオンライン診療と本院の診療を賢くご利用ください。
その他千葉日報とNHKの記事も掲載します。

 オンライン診療のアクセスは下記です。


https://www.pref.chiba.lg.jp/kenfuku/kansenshou/ncov/online-center.html?pagePrint=1








【速報】今季初、インフルエンザで学級閉鎖.pdf

コロナ・インフル同時検査キット一般販売.pdf

千葉県オンライン診療センターの設置.pdf







posted by 斎賀一 at 20:11| 感染症・衛生

糖尿病治療薬・フォシーガの心不全に対する効果

糖尿病治療薬・フォシーガの心不全に対する効果
 
Effect of Dapagliflozin on Cause-Specific Mortality in Patients
With Heart Failure Across the Spectrum of Ejection Fraction



41206.PNG

     

 糖尿病治療薬のSGLT-2阻害薬のフォシーガが心不全に対して効果があり、最近では収縮率の
保たれている心不全(HFpEF)にもそれなりの結果が出ていることは、私の以前のブログでも
紹介しました。しかし、心不全の層別化と効用に関して、具体的には不明確でした。
 今回雑誌JAMAに、心不全を横断的に調査したメタ解析が載っていましたのでブログします。
DAPA-HF研究(駆出率40%以下)とDELIVER研究(駆出率40%以上)の二つの研究からの
論文です。


1) 対象者はNYHA分類のU〜Wもしくは、血液検査のBNPの上昇です。
   主要転帰は
   ・心不全の増悪(入院もしくは救急外来受診)  ・心疾患による死亡です。 
   フォシーガ10mg/日群とプラセボ群に振り分けています。

2) 結果は
   11,007人が登録し、死亡した人は1,628人でした。(平均年齢は71.1歳、70%が男性)
   死亡例の中で心疾患が872人(53.5%)、非心疾患が487人(29.9%)です。
   心疾患の内289人(33.1%)が心不全、441人(50.6%)が突然死、
   69人(7.9%)が脳卒中、心筋梗塞が47人(2.9%)でした。
   フォシーガ群とプラセボ群の比較は、下記のグラフをご参照ください。

3 )結論
   フォシーガ群は心不全の全ての層に効果がありましたが、特に心不全の増悪と突然死に
   関して、リスクを軽減していました。

4) 討論
   突然死の原因としては不整脈が想定されますが、現実に心不全から不整脈を誘発し突然死
   が発生する可能性は少なく、腎機能の低下、肺高血圧、左室機能低下が関与している
   ため、それに対してフォシーガが優位に働いたと想像できます。
   非心疾患の死亡にはフォシーガの効果はありませんでしたが、様々な要素が加わるためと
   しています。





       41206-2.PNG

  
    (上の図から、非心疾患の死亡は駆出率とはあまり関係ないようです。
     しかし、心不全患者さんの死亡原因は、多くが突然死と心不全の増悪です。
     いかに心不全の管理が重要かを示しています。)





       41206-3.PNG   

   
       上の図で左に変位していれば、フォシーガが優位です。






私見)
 高齢者の患者さんからSGLT-2阻害薬は栄養分が出て行ってしまい、シワシワになって
 しまったと訴えられました。
 心不全も合併しているので服用を続けてと説明しましたが、フォシーガの5mgは心不全の
 適応でないのが欠点でしょうか。







フォシーガ.pdf









posted by 斎賀一 at 18:32| 糖尿病

2022年12月02日

高齢者の尿酸降下薬・ザイロリックの初期用量

高齢者の尿酸降下薬・ザイロリックの初期用量

<短 報>
Initiation Dose of Allopurinol and the Risk of Severe Cutaneous Reactions
in Older Adults With CKD: A Population-Based Cohort Study



41202.PNG



 慢性腎臓病の患者においては、ザイロリックの用量を調整しなくてはなりません。
アメリカの学会では、ザイロリックの初期量は100mgからで、腎機能低下では50mgを勧奨して
います。
 今回、特に高齢者で慢性腎臓病の場合は、初期量に注意が必要との論文が出ています。


1) 対象は66歳以上で、腎機能のeGFRが60以下です。
   ザイロリックの初期量を100mg以上と100mg以下に分けて、処方開始から180日以内での
   重篤な皮膚反応で医療機関を受診した頻度を比較しています。

2) 47,315人が登録しています。
   平均年齢は76歳、eGFRの平均は45です。
   初期量が100以上の群が25,802人で、100以下の群が25,816人です。
   重篤な皮膚反応(スティーブン-ジョンソン症候群とTEN)の発生率は
   100以上群で0.40%、100以下群で0.18%でした。
   重篤な皮膚反応は500人に1人で稀な副反応ですが、時に生命を脅かします。






私見)
  ザイロリックの復権が言われています。30年前の私の手帳にも50mgからと記載して
  いました。今回の論文でエビデンスとして明白に記載されています。
  下記に書籍のPDFも載せました。


  ・薬の禁忌 100   富野康日己順天堂大学  医学書院








本論文.pdf

手帳より.pdf

ザイロリック 薬の禁忌100.pdf












posted by 斎賀一 at 20:28| Comment(0) | 整形外科・痛風・高尿酸血症