2020年08月11日

プロバイオティクスの有効性について

プロバイオティクスの有効性について
 
AGA Clinical Practice Guidelines on the Role of Probiotics
in the Management of Gastrointestinal Disorders



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 最近、アメリカの学会雑誌のAGAより、消化肝疾患に対するプロバイオティクスのガイドラインが発表に
なっています。概ねプロバイオティクスの神聖化に、歯止めをかける意図があるガイドラインです。
 海外では重要な、感染性消化器疾患であるclostridioides difficileにおける有効性は限定的で、日本では発売されていないプロバイオティクスを使用しています。
他の疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、過敏性腸症候群でも、患者の選別を十分に行うことが大事だと
しています。
感染性胃腸病、抗生剤との併用、低出生体重児の壊死性腸炎の予防には、ある程度期待されます。
結論としては、十分なエビデンスがすべてに欠けているとしています。






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私見)
 岩田健太郎氏の書籍の内容とほぼ同じです。
 本論文ではプロバイオティクスに対して否定的なのに対して、岩田健太郎氏の書籍は抑制的です。
 プロバイオティクスを推奨している書籍をピックアップして、抜粋を下記のPDFに纏めました。
 図表もPDF化しましたので、ご参照ください。
 なお、低出生体重児に対しての有効性を論じた論文が発表になっていますので、下記に掲載します。
 岩田氏の書籍は大変勉強になりますので、是非購入してください。
 それから、雑誌小児科の壊死性腸炎に関する論文は貴重な内容ですので、無断で拝借してしまい
 ました。





◆参考文献


・雑誌小児科 ; 小児科Vol. 54 NO.9 2013

・日本消化器病学会誌 ; 2014.111.

・雑誌小児科 ; VOL. 56 No. 1 2015

・日本消化器病学会誌 ; 2015: 112

・雑誌小児科 ; Vol. 55 No. 2 2014

・雑誌小児科 ; Vol. 57 No.2 2016

・慢性便秘症ガイドライン ; 南江堂

・薬のデギユスタシオン ; 金芳堂 岩田健太郎







1 本論文.pdf

2 プロパイオティクス文献抜粋より.pdf

3 雑誌の図表より.pdf

4 薬のデギュスタシオン 抜粋.pdf

5 壊死性腸炎 抜粋.pdf

6 Probiotic combination reduces mortality in preterm infants.pdf

7 胃腸炎の小児に対する 2 種配合プロバイオティクスの多施設共同試験 |.pdf

8 抗菌薬関連下痢症へのプロバイオティクスの予防効果に疑問符.pdf

















posted by 斎賀一 at 19:05| Comment(0) | 消化器・PPI

2020年08月07日

胃酸分泌抑制薬・PPIはコロナ時代には減量すべき

胃酸分泌抑制薬・PPIはコロナ時代には減量すべき

   
Increased risk of COVID-19 among users of proton pump inhibitors


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  胃酸分泌抑制薬・PPIは、胃潰瘍と逆流性食道炎では欠かせない治療薬です。
 しかし、胃酸分泌抑制薬・PPIに関しては、注意勧告がいろいろな論文から指摘されています。
  新型コロナ流行の現在、PPIの減量を勧める論文が雑誌に掲載されていました。
 かなりバイアスがかかっている研究のため簡単に纏めてみました。


 1) 2020年5月から6月にかけて、上部消化管症状のある人53,130人を登録しています。
   (詳しくは下記のPDFを参照してください)
   3,386人が新型コロナ陽性者でした。(6.4%)

 2) 結果
    PPIを一日一回服用している人は、新型コロナに罹患する危険率が2.15倍で、
    PPIを一日二回服用していると危険率は3.67に増加していました。

 3) 考察
    胃酸を抑制することは、感染症の機会を増加させるかもしれません。
    逆流性食道炎も患者の症状のみで処方しているケースがあり、適切にPPIを服用
    しているとは限らないので、PPIを徐々に減量する必要性が新型コロナの時代には必要です。
    さらに、H2ブロッカー(ガスター、アシノン、タガメット)への変更も考慮すべきとしています。
    減量および変更は34%で可能で、PPIを中止しても1年後の15%は無症状でした。



  私見)
   本院でも従来より、PPIの減量とH2ブロッカーへの変更を行っていましたが、コロナの時代には
  なお一層実施して参ります。







ppi コロナ2.pdf


本論文の表より.pdf





posted by 斎賀一 at 13:25| Comment(0) | 感染症・衛生

2020年08月05日

新型コロナの凝固異常・血栓症

新型コロナの凝固異常・血栓症
 
Coagulopathy in COVID-19:Manifestations and management



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 新型コロナが他のウイルス性疾患と異なる特徴として、凝固異常から血栓症を引き起こす病態が
分かってきています。
以前の私のブログもご参照ください。

 今回、雑誌cleveland clinic journalより総説が出ていましたので、簡単にブログしてみます。


1) 新型コロナでは、いろいろな部位に血栓ができる。静脈、細血管、肺血栓、急性動脈血栓です。
   報告によると、重症例では深部静脈血栓が25%認められています。
   他の報告でも深部静脈血栓、肺血栓、動脈血栓の合併が31%としています。
   しかもこれらのうちで肺血栓症は、81%と一番の高率です。
   感染の暴露を防ぐために簡易的なエコー検査(POCUS)でも、25~30%に深部静脈血栓症を証明
   しています。
   下記の図のように、静脈系の血流が遅いことで診断できます。




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2) 血液検査ではD-dimerが有効です。
   他の凝固系検査が正常のことも多く、血小板数も10~15万と軽度に減少程度です。
   D-dimerが0.5μg/ml異常では、重症例が59.6%でした。
   D-dimerが3.0μg/ml以上では、感度70.0%で特異度96.7%でした。
   血小板減少症は、重症例でも4~57.7%の頻度です。しかし血小板数も重症例の目安となります。
   治療に関しては、血小板数が2万5千あれば抗凝固薬の使用は認められています。




  

私見)
 少し前までは新型コロナの血栓症に抗凝固薬をいかに使用すべきかと論争がありましたが、あっという
 間に治療方針が確立されつつあります。
 発端は中国の病理学者の勇気ある研究からです。
 いつの時代でも、日本には学ぶべき巨人が大陸にいます。








Coagulopathy in COVID-19.pdf

ブログ1.pdf

ブログ2.pdf

3ブログ.pdf











posted by 斎賀一 at 20:05| Comment(0) | 感染症・衛生