2019年07月20日

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の急性増悪に対するCRP検査の有用性

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の急性増悪に対するCRP検査の有用性
 
C-Reactive Protein Testing to Guide Antibiotic
Prescribing for COPD Exacerbations 
n engl j med 381;2 nejm.org July 11, 2019



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 雑誌NEJMに、COPDの急性増悪における抗生剤投与に関して、CRP検査がその適否を決める手段
として有用との論文が掲載されています。
COPDは高齢化社会の到来に伴い増加傾向です。また慢性疾患でもあり病状が不安定な時もしばしばあります。
発熱や膿性痰のみで安易に抗生剤を投与しますと、抗生剤の社会全体での効果が耐性菌の出現により損なわれます。
COPDの急性増悪で入院した人の20%は、感染性ではなかったとのデータもあるとの事です。
CRP検査を行う事により、抗生剤の投与なしで安全に急性増悪を管理、治療が出来ると本論文では結論付けています。



纏めますと

1) 対象は40歳以上でプライマリケアにおいてCOPDと診断され、一回は急性増悪の既往がある653名
   です。

2) CRP 検査を行いそれを指針として通常治療を行う群(CRP群)と、通常治療のみを行う群(通常群)
   に割り付けています。

3) 主要転帰は、無作為化後 4 週間以内で COPD の急性増悪に対する患者報告に基づく抗菌薬使用
   (優越性を示す目的)と、無作為化後 2 週の時点での COPD に関連した健康状態(非劣性を示す
   目的)としています。
   短期の4週間とした理由は、急性増悪に関する原因因子を最小限にしてCRP検査の有用性を特出
   させるためと説明しています。

4) 結果として抗菌薬使用を報告した患者は、CRP 指針群のほうが通常治療群よりも少なかった。
   (57.0% 対 77.4%,補正オッズ比 0.31)
   2 週の時点におけるCOPD に関連した健康状態の合計点の差の平均は −0.19 点(両側 90%
    CI −0.33〜−0.05)で、CRP 指針群の方が良好であった。

5) 副作用
   6か月経過してからの入院率を比べると、CRP群が26/304の8.6%に対して通常群では28/301の
   9.3%でした。
   6か月経過での肺炎合併は、CRP群が9/305の3.0%に対して通常群は12/302の4%でした。
   抗生剤による副作用出現率は、両群で差がありませんでした。
   つまりCRPにより抗生剤の投与を減らすことは出来ますが、それによって転帰への悪影響はありま
   せんでした。

6) プライマリケア診療所における、COPD の増悪に対する CRP を指針とした抗菌薬処方によって、
   抗菌薬使用を報告した患者と、臨床医から抗菌薬処方を受けた患者の割合が低下し、害があること
   は示されなかった。





私見)
 CRPはCOPDの増悪の判定に有用なばかりでなく、小児や腹部症状の重症度の判定にも本院で多用
 しています。
 しかし、下記のsuppleからのPDFを参照しても分かりますが、COPD急性増悪の80%は細菌性感染が
 関与しています。本論文ではCRPの値が20を閾値基準にしていますが、単に抗生剤が必要かどうかの
 判断基準とした方が良さそうです。
 また、大人と子供ではCRPの判断基準が異なる事も経験しています。
 COPDの場合に、本院ではCRPが 5 以上で抗生剤を考慮し(パセトシン、オーグメンチンなど)、10以上
 でワンランク上の抗生剤投与(メイアクト、キノロン系など)とします。
 胸部レントゲンの適否は経過で判断と考えています。







COPDとCRP.pdf








posted by 斎賀一 at 17:23| Comment(0) | 喘息・呼吸器・アレルギー

2019年07月18日

ドレッシング材について

ドレッシング材について
            <業務連絡用> 
 

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   皮膚用のドレッシング材は高価ですし、一般開業医の本院では全てを揃えるのは困難です。
  軽症の患者さんを的確に治療するためには、器材を選定しなくてはなりません。
  書籍より抜粋しましたので職員の皆さん、勉強して本院用のストラテジーを作成してください。
  元の書籍は本棚に置いておきます。





 ◆参考文献

  ・ドレッシング剤のすべて ; 秀潤社

  ・褥瘡を治す外用剤の使い方 ; 照林社

  ・皮膚科日常診療レベルアップエッセンス ; 金原出版






 ドレッシング材.pdf

 抗菌被覆材で防ぐカテーテル感染.pdf













posted by 斎賀一 at 14:42| Comment(1) | その他

2019年07月17日

火傷について

火傷について
        <業務連絡用>



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       この機会に書籍より火傷を勉強しました。
      診断と治療の器材について、院内で勉強会をしたいと思っています。
      器材の点検と再考をして下さい。マニュアルも作成して下さい。

      尚、下記の書籍は本棚に置いておきますので、各症例ごとに検討しましょう。





   ◆参考書籍

    ・小児科 Vol. 56 No.4 2015 ; 熱傷 上野 滋

    ・小児科 Vol.60 No.5 2019 ; 小児一次救急マニュアル





   火傷スライド のみ.pdf

   日本創傷外科学会.pdf

   ラップ療法.pdf











posted by 斎賀一 at 19:29| Comment(0) | その他